2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670399
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 助教授 (20269070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蜂須賀 研二 産業医科大学, 医学部, 教授 (00129602)
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Keywords | ポリオ / ポリオ後症候群 / 危険要因 / コホート |
Research Abstract |
本年度は、北九州市内におけるポリオ罹患者の予備調査によって作成されたデータベースをもとに、対象者の総合的かつ包括的な診察を行ない、今後の解析に必要な信頼性の高いデータを集積するとともに、今後の追跡調査のコホートとして登録した(男性17名、女性20名の計37名;平均年齢53歳;ポリオ罹患時平均年齢は1.7歳)。具体的には、問診、理学所見、身体計測ならびに生理機能検査等により、ポリオの罹患歴、麻痺の部位と状況(筋力、関節可動域の測定)、ポリオ後症候群か否かの判別、ポリオ後症候群の発症要因と考えられる項目、日常生活動作や歩行状況を詳細にチェックした。その結果、疲労の増大(81%)、筋力の低下(73%)、階段昇降困難(68%)と高率に身体機能の低下が認められ、ポリオ罹患よりの経過年数と最近5年間の身体活動量の増大が発症要因として疑われた。今回の診察検査結果に関しては、対象者個人毎に報告書をまとめ、その内容につき文書でフィードバックを行なった。 また、対象事例の職場適応に関する事例研究を行ない、就労時の問題点ならびに就労中のポリオ後症候群発症の危険要因に関する検討し、その予防や対策について報告した。すなわち、ポリオ後症候群の発見が遅れたために適切な介入が行なわれず、症状の増悪と就業能力の低下を招いていた。早期のポリオ後症候群の発見と、リハビリテーション医学ならびに産業医学の強力な介入が症状の増悪を予防することが示唆された。
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Research Products
(1 results)