2002 Fiscal Year Annual Research Report
難治性深在性真菌症における薬剤耐性メカニズムと新しい治療法に関する研究
Project/Area Number |
13670462
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮崎 義継 長崎大学, 医学部附属病院, 講師 (00311861)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 茂 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80136647)
|
Keywords | Cryptococcus neoformans / アゾール系抗真菌薬 / ERG11 / 薬剤感受性 / アゾール耐性 / 深在性真菌症 |
Research Abstract |
(1)ターゲット分子の配列確認:アゾール耐性Cryptococcus neoformans株NUCR1148株および感受性株NUCR1147の14-apla-demethylase(アゾールの標的分子)をコードするERG11遺伝子を増幅し、そのPCR断片のシークエンスを確認し、野生型(感受性株)と耐性型のアミノ酸配列の比較を行なった。その結果、484番目のグリシンがセリンに替わる遺伝子変異を見出した。 (2)クローニング:上記の変異を有するERG11のORF(open reading frame)を含むcDNAのサブクローニングを行った。NUCR1148株(耐性)およびNUCR1147株(感受性)から、それぞれERG11遺伝子のcDNAを作成し、それぞれをGALプロモーターを有するベクターに組み込み、それぞれpCN48EG11およびpCN47EG11とした。 (3)形質転換による表現型(感受性)の確認:pCN48EG11およびpCN47EG11を用いて、Saccharomyces cerevisiae DKS1株のtransformationをおこなった。ガラクトースとグルコース添加によりtranscriptionレベルでオン・オフを調節できるため、組み込んだERG11の配列の違いによる薬剤感受性を調べた。プロモーターオフ(グルコース添加)の状態では、変異の有無による薬剤感受性の変化はみられなかったが、ガラクトース添加によりプロモーターOnにすると、S484Gの変異を有する形質転換株ではフルコナゾールMICの有意な上昇(2μg/ml→8μg/ml)が認められた。また、ERG11のS484GはアムホテリシンB感受性に関しては、影響を与えなかった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Kaneko Y.: "Effects of parenterally administered ciprofloxacin in a murine model of pulmonary pseudomonas aeruginosa infection mimicking ventilator-associated pneumonia"Chemotherapy. 47. 421-429 (2001)
-
[Publications] 掛屋弘: "アゾール系抗真菌薬の標的酵素14α-Demethylaseの点変異の耐性機序への関与"化学療法の領域. 17. 125-132 (2001)
-
[Publications] 平松啓一: "耐性菌感染症の理論と実際 第2版"医薬ジャーナル社. 281 (2002)