2003 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疼痛患者における硬膜外脊髄通電による局所脳血流変化に関する研究
Project/Area Number |
13670953
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
矢野 貴徳 宮崎大学, 医学部, 助手 (20315378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 武司 宮崎大学, 医学部, 助教授 (70038842)
小玉 隆男 宮崎大学, 医学部, 助教授 (40153564)
長町 茂樹 宮崎大学, 医学部, 助教授 (40180517)
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Keywords | 慢性疼痛 / 脳血流 / 硬膜外脊髄通電 / SPM / 治療効果 |
Research Abstract |
慢性疼痛状態患19例者に対して、硬膜外脊髄通電治療前後に脳血流SPECT検査を施行し、SPMによる統計学的画像解析により疼痛と関連した領域の脳血流変化を評価した。さらに長期予後との関連も調べた。 痛覚が片側,両側に関わらず,両側帯状回前部、2次性体性感覚野、両前頭前野の血流低下または血流増加が認められた。VAS値による除痛効果に基づき診断された改善群と非改善群を群間比較では治療前後ともに両側帯状回前部や2次性体性感覚野の血流に有意な差が認められなかった.正常コントロールとの比較では改善群において有意血流異常域が減少した。 長期予後との比較では,通電治療直後に,血流異常域が減少した症例でも,帯状回前部,2次性体性感覚野に血流異常部が残存する症例では疼痛が再燃する傾向がみとめられた。再燃症例と非再燃症例の間には初回治療時点における有意な局所脳血流の差認められなかった。慢性疼痛の普遍的血流異常として情緒的な反応の調節機構に関与する帯状回前部、前頭前野の血流低下がみられる事が前年度までに明らかにされているが,治療効果予測,長期予後との関連に関しては追加検討が必要と考えられた.
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