2001 Fiscal Year Annual Research Report
GhrelinのGH分泌機構とそれを担うチャネルの同定と解析
Project/Area Number |
13671148
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 幸路 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (20236243)
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Keywords | ghrelin(グレリン) / 成長ホルモン / イオンチャネル / 電気生理学 / 非選択性腸イオン電流 / 細胞内カルシウム濃度 / ホルモン分泌 |
Research Abstract |
ヒトGH産生下垂体腺腫および正常GH細胞を初代培養し、perforated whole cell clamp法を用いた電気生理実験とFura2を用いた細胞内カルシウム濃度測定で、ghrelinの作用機構を解析した。Ghrelinは細胞外カルシウム依存性で、電位依存性カルシウムチャンネル依存性の一相性のカルシウム上昇反応を生じた。膜電流固定法で膜電位の変化を見たところ、ghrelinは膜の脱分極と、活動電位の発火頻度の増加を生じた。活動電位増加により電位依存性カルシウムチャネルを介するカルシウム流入が増加し、細胞内カルシウム上昇がもたらされたと考えられた。脱分極反応のイオン機構を膜電位固定法で調べると、非選択性陽イオンチャネルの活性化によっていた。このチャネルはナトリウム、カリウム、セシウムなどの一価の陽イオンを透過し、二価の陽イオンや陰イオンには透過性を示さなかった。活性化の刺激伝達経路には、PLCβとPKCが関与していた。細胞内カルシウム濃度の増加も同じ刺激伝達経路によっていた。Ghrelinは濃度依存性にGH分泌を増加させ、この増加も同じ刺激伝達経路によっていた。分泌反応は、電位依存性カルシウムチャンネルのブロッカーで消失した。膜の脱分極は主に細胞外のナトリウムの流入によっていることから、細胞外をナトリウム-freeにしたところ細胞内カルシウム上昇もGH分泌も消失したことから、この脱分極反応がghrelinによるGH分泌に重要な役割を果たしていることが明かとなった。脱分極をおこす非選択性陽イオンチャネルの分子種を明らかにするため、GH細胞にTRPチャネルとVRL-1チャネルの発現を確認した。ghrelin作用を担うチャネルを同定するため、薬理学的実験とアンチセンスを用いた実験を行い、候補を絞った。抑制性の因子とghrelinの相互作用を電気生理学的に検討した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Koji Takano et al.: "Ghrelin excites human GH secreting cells"Proceedings of the 83rd Endocine Society's Annual Meeting. 234 (2001)
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[Publications] Koji Takano et al.: "Ionic Mechanism of Ghrelin-Induced GH secretion"Proceedings of the 7^<th> International Pitaitary Congress. 60 (2001)
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[Publications] Toshio Ichikawa et al.: "Estrogenic Imparities in Plastic Labwares"Nature Biotechnology. 19. 812 (2001)