2001 Fiscal Year Annual Research Report
イヌ劇症肝炎モデルに対するハイパフォーマンス膜を用いたブタ異種交叉潅流の有効性
Project/Area Number |
13671272
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
十束 英志 弘前大学, 医学部, 助手 (70281920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴海 俊治 弘前大学, 医学部, 助手 (90250612)
袴田 健一 弘前大学, 医学部, 講師 (30271802)
佐々木 睦男 弘前大学, 医学部, 教授 (10005077)
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Keywords | 劇症肝炎 / 人工肝臓 / 交差灌流 |
Research Abstract |
本研究の目的はイヌ劇症肝炎モデルに対するハイパフォーマンス膜を用いたブタ異種交叉灌流の有効性を明らかにすることである。平成13年度までに同研究から得られた新たな知見を以下に示す。尚、劇症肝炎モデルとして、雑種成犬は個体差が大きく、入手が困難である事情、加えて動物愛護の観点から不適と考えられ、ブタを用いて作成し、従って異種ではなく同種交差灌流を行う見通しである。また、交差灌流の方法としてこれまで行ってきた生体-生体間の血漿をハイパフォーマンス膜(Cascadeflo AC1740、旭メディカル、東京)を介した交差とは別に、全肝を摘出してこれを新鮮凍結血漿にて灌流、生体-全肝間の交差潅流を考案した。 1.ブタを用いて全身麻酔下、α-amanitin(Sigma, NY)0.1mg/kgおよびlipopolysaccharide(Sigma, NY)1mcg/kgを門脈内投与した結果、9時間目より肝逸脱酵素、アンモニア、脳圧の上昇、凝固因子の低下が顕著となり、12-15時間目には劇症肝炎が完成、平均生存時間は28時間であった(n=10)。交差灌流システムの導入は薬剤投与後12時間日が適当と考えられた。 2.生体-全肝間の交差灌流モデルの可能性を検討する目的で、予備実験としてブタ摘出肝と薬剤を混注した生理食塩水との間で交差灌流を行い、ブタ摘出肝において、酸素化した新鮮凍結血漿より酸素が消費されており、また生理食塩水中のリドカイン、アンモニアの代謝が行われ、この機能は少なくとも6時間維持されることが確認された。 今後の方針としては上記1で確立した劇症肝炎モデルと摘出肝との間における交差灌流を実施し、生存率(時間)、生化学検査、脳圧、病理組織検査などからその有効性を明らかにしてゆく予定である。
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Research Products
(1 results)