2001 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌におけるPPP2R1B(PP2A蛋白質)-Aktシグナル伝達系の解析
Project/Area Number |
13671291
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
五井 孝憲 福井医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (60225638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 明夫 福井医科大学, 医学部, 教授 (10174608)
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Keywords | PPP2R1B遺伝子 / プロテインフォスファターゼ / PP2A蛋白質 |
Research Abstract |
細胞表面のレセプターから発する細胞内シグナルは、多くが蛋白質のリン酸化およびその逆反応である脱リン酸化が、機能制御において重要である。本研究ではセリン・スレオニンフォスファターゼ蛋白質、PP2AをコードしているPPP2R1B遺伝子(Serine/Threonine protein phosphatase 2A-A Subuhit)について、特に大腸癌を中心に解析をおこない、いくつかの知見を得ている。 1.当科において切除手術を施行した大腸癌症例50例についてSSCPおよびDNAシーケンスをおこないPPP2R1B遺伝子変化について検討したところ、5例(10%)にお1いてPPP2R1B遺伝子欠損1例、遺伝子変異が4例で認められた。 2.野生型および変異型PPP2R1B遺伝子を発現する症例から蛋白を抽出後、抗PP2A-A抗体を用いた免疫沈降法にて蛋白質複合体の変化を検討すると野生型PPP2R1B遺伝子によりコードされるPP2A-A蛋白質はPP2A-C蛋白質と蛋白質複合体を形成すること可能であったが、変異型PPP2R1B遺伝子症例ではPP2A-A, PP2A-C蛋白質複合体の形成が不能となることが認められた。 以上から大腸癌においてPPP2R1B遺伝子は細胞内シグナル伝達機構に必要である蛋白質複合体形成に重要な役割を担うことが確認された。現在大腸癌などのcell lineに種々のmutant-PPP2R1B遺伝子を作製して機能解析を詳細に検討している。
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