2001 Fiscal Year Annual Research Report
加圧により形成され、自由に曲線に追従できる大動脈用ステント・グラフトの開発 ―更に一時的留置を目指した生分解性ステント・グラフトの開発に向けて―
Project/Area Number |
13671400
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
神田 圭一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60295649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 伸一 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (30178735)
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Keywords | 大動脈用ステントグラフト / 大動脈瘤 / 大動脈解離 / 大動脈弓部 / 弯曲 / デリバリー・システム / 柔軟 / 生分解性 |
Research Abstract |
従来の大動脈用ステント・グラフト(SG)の骨格は所謂バネ式で、リリースは一瞬で行われリリース後の位置修正が不可能である。われわれは金属とは全く異なるSG用の骨格を考案した。骨格として液体で満たされた螺旋状のバルーンを用いることにより、従来のSGと比較して、骨格形成がゆっくりと可逆性に行え、より柔軟なものを開発する事とした。 予備実験では合成繊維布で作製した筒の内面をポリウレタン・チューブで螺旋状に裏打ちすることにより、チューブの虚脱時には全く骨格を持たない柔軟なSGモデルを形成できた。チューブ内に液体を加圧注入することにより骨格が再形成され、設計通りの円筒形となった。 初代の試作モデルでは骨格に用いたチューブがやや肉厚であったにも関わらず、径30mm×長さ90mmのものが、30×15×5mm大変小さく折り畳むことが出来た。更に小口径のシース内に格納できるSGの開発にはグラフト・骨格共により壁薄の構造が不可欠である。 最近壁薄の強靭な骨格を作製するためにポリウレタンを用いてチューブを試作した。これで同じくポリウレタンで作製した薄膜を用いることにより、非常に小さく折り畳むことの出来るステントグラフトのモデルが作製できた。 残念ながら現在手製で行っている作製方法ではチューブの壁の厚みにむらがあるために、均一した充分な強度を維持することが出来ず、加圧した際に脆弱な部分で破綻してしまいやすいのが現状である。現在専門業者に依頼して、均一品質の試作品のチューブ作製を行っている。 本年度はこれが完成すれば、いよいよモックモデルを使った生体外でのリリース実験を行う予定である。そのための仮想循環回路も体外循環を利用して設計中である。
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