2001 Fiscal Year Annual Research Report
核内転写因子PPARαを介した2次性アミロイドーシスの制御に関する研究
Project/Area Number |
13671496
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
羽生 忠正 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20189591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 俊幸 順天堂大学, 医学部, 助教授 (50211636)
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Keywords | 2次性アミロイドーシス / SAA / PPARα / フィブラート |
Research Abstract |
核内転写因子Peroxisome proliferator activated α(PPARα)を介した抗炎症作用に注目し、そのリガンドであるフィブラート系薬剤を用いた実験を行った。 1)マウスAAアミロイドモデルに対し、フィブラートの経口投与(75, 150, 300mg/kg/day)を3週間行った。結果。投与群では脾臓アミロイド沈着が濃度依存的に有意に抑制され(300mg/kg投与群では非投与群に対し80%以上の抑制)、さらに経過中の血清アミロイドA(SAA)もほぼ平行して抑制されていた。さらに、血清中のIL-6及び大腿骨骨髄中のIL-1β,IL-6濃度をELISAにて測定した。血清中IL-6は、投与薬剤の濃度が高いほど抑制される傾向にあった。骨髄中IL1βがフィブラート投与群では非投与群に比べ抑制されていたが、濃度による差は明らかではなかった。 2)肝細胞HepG2においてIL-1β,IL-6刺激によるSAA産生に対するフェノフィブリン酸(フェノフィブラート活性代謝物)の影響をみたところ、フィブリン酸100-300μMでSAA産生が有意に抑制されることが確認された。 3)マクロファージ系細胞RAW264においてlipopolysaccharide刺激で産生されるIL-1β,IL-6に対するフェノフィブリン酸の影響をみたところ、フェノフィブリン酸は100-250μMでいずれのサイトカイン産生も抑制したが、特にIL-1βに対する抑制効果が強かった。 (総括)フェノフィブラートはマウスモデルにおいて血中SAAを抑制し、組織アミロイド沈着を強力に抑制することが確認された。さらに、SAAのみでなくIL-1βやIL-6をも抑制することから、広く抗炎症に関わる可能性があった。これらの結果に対するPPARαの関与を明らかにすることを次年度の課題とする。
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Research Products
(1 results)