2003 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱粘膜再構築培養モデルでの癌浸潤における血管新生の証明
Project/Area Number |
13671657
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
中島 啓二 佐賀大学, 医学部, 助手 (00346884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南里 正晴 佐賀大学, 医学部, 助手 (80346890)
真崎 善二郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (40038716)
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Keywords | 細胞培養 / 膀胱癌 / 尿路上皮 / 新生血管 / コラーゲン / 血管内皮細胞 / 線維芽細胞 / 血管内皮細胞増殖因子 |
Research Abstract |
昨年度までの実験ではin vitro膀胱粘膜再構築培養法で膀胱癌細胞を三次元的に培養し、膀胱癌細胞が粘膜固有層に浸潤増殖していたのを組織学的に証明した。血管内皮細胞単独の培養では増殖率が低かったため、本年度は癌浸潤における血管新生を組織学的に証明する目的で、三次元培養で作製した膀胱癌上皮シートをラットに移植し、組織学的検討を行った。 ラットの膀胱を採取し酵素処理で無細胞化し(Bladder Acellular Matrix Graft:BAMG)、この上でヒト膀胱癌株(HT-1197,RT-4,T24,EJ,UMUC3)細胞とコラーゲンゲルによる再構築膀胱シートを作製した。このシートを膀胱拡大術の方法でラットに移植した。 移植7日目、14日目に組織学的検討を行いさらに免疫組織学的染色で各細胞の同定を行う予定であったが、マウスが移植術後数日で死亡し、剖検して組織学的検討を行ったが、癌細胞の生着は認められず、in vivoで癌浸潤を組織学的に証明することはできなかった。 再度in vitroにて再構築した膀胱粘膜上でヒト膀胱癌株(HT-1197,RT-4,T24,EJ)細胞の培養を行いVGEF蛋白の発現を検討したが、VGEF蛋白の発現を証明できなかった。また、各膀胱癌細胞のVGEF分泌量、基底膜の破壊酵素であるurokinase plasminogen activator分泌量を測定したが、コントロール群と比較して有意差はみられなかった。各癌細胞蛋白中のHif-1α、thymidine phosphorylaseの発現をwestern blotting法で同定したが、発現はみられなかった。 今回の実験系では再構築した膀胱粘膜上で膀胱癌の癌浸潤を証明できたが、癌浸潤における血管新生を証明することは出来なかった。今後新たな実験系の開発が必要と思われた。
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Research Products
(1 results)