2001 Fiscal Year Annual Research Report
顆粒膜細胞内FSH刺激伝達機構に関する生化学的・分子生物学的研究
Project/Area Number |
13671749
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
田辺 清男 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10101916)
|
Keywords | 卵胞発育 / 顆粒膜細胞 / シグナル伝達 / FSH / PKC / jun B |
Research Abstract |
FSH受容体に結合しているG蛋白を介したtyrosine kinaseによるブタ顆粒膜細胞の細胞増殖シグナルの伝達経路を検討した。ブタ卵巣より顆粒膜細胞を採取してT-75フラスコで培養し、その後、48時間継続培養して種々の薬物を添加した。まず、FSHの至適添加量と至適添加時間を決定するために、各々5、10、25、50、75、100IU/ml、また、10分、20分、30分、60分、120分、240分との組み合わせで培養した。その後、細胞より蛋白を抽出し、ウエスタンブロッティングを行った。Grb2/Ash抗体、Raf-1抗体、Ras抗体ではそれぞれ10IU/ml、25IU/ml、25IU/mlの添加により、培養時間は60分間で発現が最大値に達した。このことよりFSHの添加量は25IU/ml、60分間培養に統一することとした。また、同様に細胞よりRNAを抽出しノザンブロッティングを行った。H-rasにおいては、25IU/ml、20分間で最大値に達した。他のcDNAにおいては現在検討中である。また、FSHとtyrosine kinase阻害剤である、genistein、tyrphostin、PKC阻害剤である、staurosporine、calphostin C、PKA阻害剤である、Rp-cAMPS、G蛋白阻害剤である、pertussis toxin(PTX)、ras阻害剤である、S-farnesylthiosalicylic acid(FTS)との混和培養における細胞増殖の抑制については、細胞の増殖率で現在検討中である。次年度は上述した因子の影響を引き続き観察するとともに、顆粒膜細胞の増殖に関わっていると思われるFSH受容体からtyrosine kinaseを介したシグナル伝達経路について詳細に検討する。
|