2001 Fiscal Year Annual Research Report
N-myc遺伝子の導入による神経芽細胞腫の病態解明と治療への応用
Project/Area Number |
13671866
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和佐 勝史 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (10240467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 正 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40028569)
草深 竹志 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70263267)
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Keywords | 神経芽細胞腫 / N-myc遺伝子 / 癌増殖 |
Research Abstract |
N-myc遺伝子は神経芽細胞腫の予後に密接に関与しているとされている。しかしInsulin-like Growth Factor-I(IGF-I)/IGF-I receptor(IGF-IR)systemがいかなるメカニズムで神経芽細胞腫の増殖に関与しているかについては不明である。そこで、N-myc遺伝子とIGF-I/IGF-IR systemの癌増殖に及ぼす相互関係を検討するに先立ち、神経芽細胞腫の増殖におけるIGF-I/IGF-IR systemの重要性を検討し、以下の結果を得た。 (1)神経芽細胞腫の代表的cell lineであるSK-N-SHにおいて、細胞膜トランスポートの特徴を検討した。その結果、本cell lineではグルタミンはSystem ASCのシステムにより細胞内にactive transportされること、細胞増殖速度はグルタミン濃度に依存すること、グルタミン欠乏によりSystem ASCの遺伝子発現がdown-regulationされることが明らかとなった。(2)IGF-Iはin vitroにおける神経芽細胞腫の増殖を促進する。この効果は癌細胞の細胞膜アミノ酸トランスポート、DNAおよび蛋臼合成を増加させることで発揮される。(3)IGF-I receptor抗体を投与することで、グルタミン欠乏単独に比較し神経芽細胞腫増殖抑制効果を発揮する。この効果はグルタミン欠乏に伴う細胞膜アミノ酸トランスポートのup-regulationを抑制することで発揮される。(4)抗癌剤とIGF-I receptor抗体の併用により、それぞれの単独投与に比し、より強い癌細胞増殖抑制効果を発揮する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Wasa, HS.Wang, A.Okada: "Characterization of L-glutamine transport by a human neuroblastoma cell line"Am. J. Physiol-Cell Physiol. (in press).
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[Publications] HS.Wang, M.Wasa, A.Okada: "Amino Acid Transport in a Human Neuroblastoma Cell Line is regulated by the type I Insulin-like Growth Factor Receptor"Life Science. (in press).