2001 Fiscal Year Annual Research Report
フリーラジカルによる関節滑液中のヒアルロン酸の低分子化と顎関節障害のメカニズム
Project/Area Number |
13672108
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
神農 悦輝 琉球大学, 医学部, 助手 (60325842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安仁屋 洋子 琉球大学, 医学部, 教授 (90045055)
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Keywords | 顎関節 / 滑液 / フリーラジカル / ヒアルロン酸 / 顎関節症 |
Research Abstract |
顎関節障害の原因として顎関節にかかるメカニカルストレスにより、フリーラジカルが生成され、これが滑液中のヒアルロン酸の変質や滑膜組織の障害を引き起こすと考えられている。 そこで今回、我々は、顎関節症患者の顎関節滑液中のフリーラジカルの生成の有無およびヒアルロン酸ナトリウムのフリーラジカルのスカベンジャー作用について調べた。【対象】顎関節症患者7関節7症例【方法】顎関節症患者より希釈回収法で採取した関節液を限外濾過法で濃縮後、ESRスピントラップ法、化学発光器(ケミルミネサンスアナライザー)およびNOアナライザーを用いてフリーラジカル(スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、NO)生成の有無を測定した。また、関節滑液中のヒアルロン酸および、鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウム(ARTZ)に関してフリーラジカル生成系を用いてそのスカベンジャー作用について調べた。【結果】関節滑液中のスーパーオキシド、ヒドロキシルラジカルに関しては同定される検体は少なく、検出できなかったが、NOに関しては顎関節症患者7関節2症例に認められた。また、フリーラジカルのスカベンジャー作用については鶏冠製のヒアルロン酸ナトリウム(ARTZ)にはほとんど認められなかったが、関節滑液には認められた。現在、検体を増やし、また、実験の手法を検討し、フリーラジカルの測定および関節液中のヒアルロン酸の低分子化について研究をおこなっている。
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