2001 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀における看護政策課題とその分析に関する研究
Project/Area Number |
13672472
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
矢野 正子 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (00251215)
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Keywords | 看護 / 看護政策 / 看護婦不足 |
Research Abstract |
20世紀後半55年間の看護婦確保を含む看護政策課題について、マスメディアである新聞による看護の報道、国会関係委員会会議録、厚生省史、看護関係者への面接等の分析から、今後の看護政策研究の方法を含め検討考察することを目的とした。 20世紀における看護の実態は、昭和23年の保健婦助産婦看護婦法制定以来、社会経済状態の進展に伴って看護婦の需要は増す一方となり、看護政策は看護婦不足に終始してきた。戦後を3期に分け、第1期を昭和20-40年迄の21年間とし戦後の混乱と看護婦の労働者意識目覚めの時期、第2期を昭和41-59年迄の19年間とし看護婦需給計画による看護婦確保対策が展開された時期、第3期は昭和60-平成11年迄の15年間で看護婦人材確保法の制定と看護職員需給見通しによる確保対策が展開された時期とし、看護政策課題は、先ず、55年間で報道記事数が際立ったピークを示した第1期と第2期の看護争議に注目した。第1期は看護婦という特定の閉鎖杜会における労働や生活実態に対する考え方、看護婦自身の労働条件の改善を求める運動に至る迄の経緯等を、第3期は昭和60年末の医療法第1次改正による駆け込み増床のあおりから、全国にストライキやナースウエーブなどの看護争議やネット組織による運動等が沸き起こり高齢社会に必要な人材確保への警鐘となり社会間題化した要因を分析した。次年度は看護教育、訪問看護等について看護関係者との面接を含め研究を進める予定である。(看護師の名称は使用せず元のままとした。)
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