2002 Fiscal Year Annual Research Report
受動喫煙妊婦のビタミンK含有食品摂取が新生児の出血予防にもたらす効果
Project/Area Number |
13672525
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
永見 桂子 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (10218026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村嶋 正幸 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (20166276)
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Keywords | ビタミンK / 臍帯血 / ビタミンK依存性凝固因子 / 受動喫煙 / 新生児 |
Research Abstract |
【研究目的】ビタミンKの経胎盤的補給の観点から、妊娠中の受動喫煙が臍帯中のビタミンK依存性凝固因子活性およびビタミンK類の動態にどのように反映されるか、さらには受動喫煙妊婦のビタミンK含有食品摂取が新生児の出血予防にもたらす効果を明らかにすることを目的とした。 【研究方法】対象:非喫煙者である経膣分娩例148例(受動喫煙群53例、非受動喫煙群95例)。対象の選択にあたっては検体採取の意味を説明し同意を得た。方法:児娩出後、臍帯静脈より可及的速やかに採血して得られたクエン酸加血漿(濃度0.38%)プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、ヘパプラスチンテスト(HPT)、トロンボテスト(TT)、ビタミンK依存性凝固因子活性(FII、FVII、FIX、FX)およびビタミンKに依存しない凝固因子活性(FV、FVIII、FXI、FXII)を求めた。なお、若林ら(日薬理誌116)のHPLC-白金還元・電気化学検出法に準じ、ビタミンK類の分離・検出条件、資料の前処理法について検討した。 【結果・考察】受動喫煙群は非受動喫煙群に比し、FVII、FIXが有意に低値を示したが、ビタミンKに依存しない凝固因子活性には有意差は認められなかった。ビタミンK含有食品のうち、納豆摂取の有無により両群を比較すると、非摂取群間では受動喫煙群よりも非受動喫煙群のFVIIが高く、摂取群間では両群に有意差は認められなかった。ブロッコリーでも同様に非摂取群間ではTT値が有意に高く、摂取群間では有意差は認められなかった。受動喫煙の回避が困難な妊婦の場合、ビタミンK含有食品の積極的摂取により活性レベルの改善が期待できるものと思われた。血漿中からのビタミンKの抽出条件、ビタミンK分画分取条件について検討したが、分離可能なビタミンK同族体が限られており、さらなる測定法の検討が課題である。
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