2002 Fiscal Year Annual Research Report
水中運動が酸化ストレス及び血液の凝固・線溶に及ぼす影響
Project/Area Number |
13680021
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大桑 哲男 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80115675)
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Keywords | 水中運動 / トレッドミル / 血液凝固 / 線溶 / 酸化ストレス / エピネフリン / 心拍数 / 血中乳酸 |
Research Abstract |
日常的にバレーボール、バドミントン、水泳などを行っている男子大学生6名を対象に陸上でのトレッドミル運動と水中でのジャケットを装着してのランニングを負荷漸増法にて行った。トレッドミル走は120m/分のスピードから開始し、1分毎に10m/分づつスピードを増大させ、疲労困憊に至るまで運動を行った。トレッドミルの傾斜は10%で行った。水中運動は浮きベストを着用し、水深160cmのプールにて行った。水中走行のテンポは144歩/分から開始し、8歩/分づつテンポを増大させ疲労困憊まで運動を行わせた。両運動ともに10〜11分で疲労困憊に至るように運動強度を設定した水中走行のテンポはメトロノームに合わせて行わせ、そのスピードから遅れた時点で運動を中止させた。対象者は運動前15分間、仰臥姿勢にて安静を保ち、運動前の安静状態での採血を行った。運動終了後1.0,2.5,5.0,7.5,10.0分に正中皮下静脈から採血を行った。心拍数は運動前、運動中、運動後10分まで連続的に測定した。採取した血液は5分以内に乳酸とアンモニア濃度を測定し、残りの血液は遠心分離し血漿を得、測定まで-80℃で凍結保存した。血漿中の測定項目は、酸化ストレスのマーカーである過酸化脂質、抗酸化物質である還元型グルタチオン(GSH)、線溶の指標であるurokinase-type plasminogen activator(u-PA)、tissue-type plasminogen activator(t-PA)、凝固の指標であるtotal plasminogen activator inhibitor type 1(PAI-1)、t-PAを制御しているエピネフリン濃度である。トレッドミル運動中の心拍数、運動後の血中乳酸、アンモニア濃度はいずれも水中運動に比べ有意に高く、運動強度はトレッドミル運動の方が高いことが明らかとなった。線溶の指標であるu-PAとt-PAは水中運動に比べトレッドミル運動で有意に高かった。またトレッドミル運動での血漿エピネフリン濃度は水中運動に比べ、有意に高い値であった。PAI-1と過酸化脂質及びGSHは両運動間に有意差は認められなかった。これらの結果から、水中運動に比べトレッドミル運動の方が線溶は亢進するが、これはエピネフリンによるものと推察される。
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