2001 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害者に対する多様な聴覚補償方法の選択・適応のための評価・支援プログラム作成
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13680263
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
大沼 直紀 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター(聴覚障害系), 教授 (20169022)
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Keywords | 聴覚障害 / 聴覚補償 / 補聴器 / 人工内耳 / 手話 / 字幕 / 高齢難聴者 / 聾児・難聴児 |
Research Abstract |
1)聴覚障害者自身のもつ条件(難聴の程度、年齢、生活スタイル、聴覚活用能力、コミュニケーション意欲など)と、適応可能性のある情報伝達モード(音声、文字、口話・読唇、指文字・手話)との対応について、約100名の難聴者を被験者とした調査と適合検査を実施した。特に、音声中心の聴覚補償方法が適合する難聴者と、手話中心の聴覚補償方法が適合する難聴者との条件差異を検討した。 2)聴覚障害者自身のもつ条件(難聴の程度、年齢、生活スタイル、聴覚活用能力、コミュニケーション意欲など)と、適応可能性のある情報伝達メディア(スピーカーによる音場増幅、アナログ補聴器、デジタル補聴器、FM補聴器、人工内耳、字幕提示装置)との対応について、約100名の難聴者を被験者とした調査と適合検査を実施した。特に、補聴器による聴覚補償方法が適合する難聴者と、人工内耳による聴覚補償方法が適合する難聴者との条件差異を検討した。 3)上記1)2)の実施結果を基に、聴覚障害者に対する聴覚補償の必要度を評価するためのチェックリストの内容を検討した。 4)特に、重度の聴覚障害者が残存保有する聴力を活用する能力を客観的に評価する方法を検討し、「音の有無に気がつく」基礎レベルから、「対話者に聴覚の障害について理解・啓発できる」などの上級レベルまで、約50項目のチェックリストで構成される「聴覚活用能力発達評価表」を作成した。 5)難聴の障害特性を把握し、補聴援助手段の多様化への対応に配慮し、生活環境評価を重視し、聴覚活用能力を評価したうえで、補聴援助手段の選択・調整・適応のための支援を行うための基礎資料が収集できた。
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[Publications] 大沼直紀: "聴覚障害学生の聴覚補償に関する自己管理のための指導プログラムの開発"電子情報通信学会技術研究報告. Vol.100, No.600, ET2000-90〜12. 23-29 (2001)
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[Publications] 水野映子, 大沼直紀: "高齢者の聴覚情報補償に関する意識調査と対応策の検討"電子情報通信学会技術研究報告. Vol.100, No.600, ET2000-90〜112. 15-22 (2001)
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[Publications] 大沼直紀, 水野映子: "高齢者の聞こえの自己評価と補聴相談対象候補者の検討"筑波技術短期大学テクノレポート. No.8. 145-152 (2001)
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[Publications] 大沼直紀: "聴覚障害児と学校図書館"学校図書館. No.611. 33-35 (2001)
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[Publications] 大沼直紀: "1990年代の聴覚補償教育の成果・課題とこれからの展望"聴覚障害. Vol.56, No.1. 9-16 (2001)
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[Publications] 三好茂樹, 大沼直紀: "人工内耳の現状-子供への適応について-"リハビリテーション・エンジニアリング. Vol.15, No.4. 15-22 (2001)
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[Publications] 大沼直紀: "0〜乳児の聴覚補償の方法と成果、加我君孝編;耳鼻咽喉科診療プラクティス3・新生児・幼児・小児の難聴(pp.116-119)"文光堂. 254 (2001)
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[Publications] 大沼直紀: "聴覚障害者のための高等教育、加我君孝編;耳鼻咽喉科診療プラクティス3・新生児・幼児・小児の難聴(pp.176-179)"文光堂. 254 (2001)
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[Publications] 大沼直紀: "道標-その16-、聴覚を活用した学び方、育ち方 筑波技術短期大学の今とこれから"全国心身障害児福祉財団・全国ろう学校PTA連合会. 75 (2001)
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[Publications] 大沼直紀: "補聴器と人工内耳、野村恭也・小松崎篤・本庄巌編;CLIENT21、21世紀耳鼻咽喉科領域の臨床(pp.174-179)"中山書店. 399 (2001)