2002 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害のある児童生徒の内発的動機づけを重視した授業に関する研究
Project/Area Number |
13680344
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
竹林地 毅 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 知的障害教育研究部, 室長 (50332169)
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Keywords | 内発的動機づけ / 授業研究 / 授業の評価 |
Research Abstract |
7名の研究協力者による授業研究を実施した。授業研究を通じて,内発的動機づけを重視し学習意欲を高める授業づくりの在り方について検討した。 (1)教師の内発的動機づけにより動機づけられた子どもの行動のとらえ 「見通しをもった行動」,「物を操作する行動」,「選択する場面での行動」,「戸惑ったり迷ったりする行動」,「教師へ援助を求める行動」からとらえようとしていた。これは,昨年度の成果と一致した。 (2)学習意欲を高める工夫の実際 「視覚的な資料の提示等による分かりやすい活動の提示」,「活動の結果のフィードバック」,「先行経験や既有の知識を生かせる活動の用意」,「子どもの発言や行動の肯定的な評価による子どものイニシアティブの促し」,「子どもがイニシアティブをとれる活動の展開」,「子ども同士の人間関係を生かした活動の設定」,「子どもにとって切実な課題,楽しい活動の設定」等が実践されていた。これらも昨年度の成果と一致した。 (3)ビデオ撮影による授業研究が児童生徒の主体的な活動や教師の行動に及ぼす影響 授業案の作成→授業実践(録画)→授業研究という流れではなく,ビデオ録画→授業案の作成→授業実践(録画)→授業研究という流れで授業研究をした結果,教師自身が主体的に授業改善できたという効力感を味わえることが明らかになった。また,昨年と同様に,授業をビデオで見直すことの効果として,子どもとのコミュニケーション,信頼関係づくりの重要性や子どもの活動を余裕を持って見ておれるようになった自分に気づいたことが報告された。 (4)成果の普及 日本特殊教育学会第40回大会で,昨年度の成果を報告した。また,年度末に授業実践集を作成し,研究成果の普及を図った。
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