2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680848
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
佐野 護 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (60090429)
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Keywords | ラディシコール / HSP90 / ゲルダナマイシン |
Research Abstract |
ニワトリ胚、培養後根神経節からのニューロンの神経突起再生と生存維持は、低濃度ラディシコール(Rad)によって驚異的に増強される事実を報告した。次に哺乳類成体の知覚神経に同様の効果を示すか否かの課題は、肯定的な所見が得られず、多くの条件を長時間繰り返し検討したが、否定的であった。ニワトリ胚知覚神経細胞に戻り、TrkA, B, Cに対する各抗体を用いて、細胞の種類を判別し、ニューロトロフィンやRadによる神経突起誘導について効果を調べた。ニワトリ胚知覚神経節の細胞は、TrkA, B, Cの抗体によって、小、中、大のサイズの異なる細胞が免疫染色出来たが、Radへの反応性には差が見られず、全細胞が突起伸展を誘導された。またMAP1A, MAP1Bはそれぞれ、初期的な微小管と安定化した微小管に存在するとされるが、これらの存在状態についても、Radによる突起とニューロトロフィンによって誘導される突起に差を認めることが出来なかった。p53はHSPにより保護を受けており、RadによるHSP抑制の結果p53が減少して、アポトーシスを抑制するという仮説を考え、ニワトリ知覚神経の培養におけるp53へのRadの効果を調べたが、低下は認められなかった。神経系株細胞のについて、Radの効果を調べ、Neuro2aとNG108X15の2つの細胞で、Radによる神経突起誘導を確認した。これらの細胞で、RaF-1, ERK, P38MAPK, Rasなどのシグナル伝達系の分子にRadがどのように作用を示すかを検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sakuma K.: "The reciprocal change of neurotrophin-4 and glial cell line-derived neurotrophic factor protein in the muscles, spinal cord and cerebellum ・・・"Acta Neuropathologica. 104. 482-492 (2002)
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[Publications] Kotani T.: "Circular nuclear alignment in multinucleate PC12D cells produced by cell fusion with polyethylene glycol"Acta Histochemica Cytochemica. 35. 185-191 (2002)
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[Publications] Sakuma K.: "Calcineurin is a potent regulator for skeletal muscle regeneration by association with NFATc1 and GATA-2"Acta Neuropathologica. 105. 271-280 (2003)