2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680848
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
佐野 護 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (60090429)
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Keywords | radicicol / geldanamycin / HSP90 / NG108-15 / N2a |
Research Abstract |
ラディシコールの効果が認められる神経系株細胞を見出す必要があった。検討の結果、NG108-15、N2a細胞において、ラディシコールによる突起伸展効果を見出した。しかし、その他に調べた、SH-SY-5Y, N-Tera, PC12D細胞などでは、ラディシコールによってアポトーシスが誘導された。NG108-15細胞を用いることにより、次のような諸実験を行った。ラディシコールやゲルダナマイシンは、Hsp90を阻害する。Hsp90によって保護を受けていることが明確な蛋白質は多く報告されている。中でも細胞内のシグナル伝達に関与するRaf1,Akt1,CDK4,CyclinD1などの蛋白が知られ、これらの蛋白、あるいは、その影響を受ける蛋白質の低下は、アポトーシシスの阻止や細胞周期の制御、そして、神経突起の誘導などを起こしているという仮説が考えられる。そこで各種蛋白質の量的な変化をウエスターンブロット法により検討した。その結果、ラディシコールとゲルダナマイシン処理されたNG108-15細胞では、Raf1,ERK1/2,燐酸化ERK1/2が、薬剤の濃度依存的に,また処理時間に依存して低下が認められた。Akt1とCDK4は少し低下が認められたが、Hsp90とCyclinD1の量は変化が見られなかった。ラディシコールとゲルダナマイシン処理による神経突起の誘導はアクチノマイシンにより阻害された。しかし、cAMPによる突起伸展誘導は、RNA合成阻害の影響を受けなかった。従って、ラディシコールによる神経突起誘導は、Hsp90阻害による特異蛋白質の低下よりは、新たな蛋白質合成の変化によると推察された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sakuma K.: "Calcineurin is a potent regulator for skeletal muscle regeneration by association with NFATc1 and GATA-2"Acta Neurophathologica. 105. 271-280 (2003)
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[Publications] Sakuma K.: "Serum response factor plays an important role in the mechanically overloaded plantaris muscle of rats"Histochem.Cell Biol.. 119. 149-160 (2003)
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[Publications] Yonezawa S.: "Possible involvement of myosin-X in intercellular adhesion : Importance of serial pleckstrin homology"Develop.Growth Differ.. 45. 125-185 (2003)