2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動に依存するグルコース取り込みの脳スライスを用いたリアルタイム解析
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13680893
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
山田 勝也 秋田大学, 医学部, 助手 (40241666)
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Keywords | gloucose / brain / uptake / fluorescence |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、新規蛍光標識2-デオキシグルコース(2-NBDG)をグルコーストレーサーとして用いることで、グルコースの神経細胞内への取り込みを生細胞でリアルタイムに可視化できることが明らかとなった。また組織レベルでの神経活動依存的なグルコース取り込みについて評価する目的で、脳スライスを用いた装置を作成し予備実験を行った。本年度は本装置を用いたスライス実験、ならびにin vivo実験を主に行った。大脳皮質視覚野スライス標本に対して低濃度の2-NBDGを投与し、白質を最大強度をやや下回る刺激強度で電気刺激した後2-NBDGを洗い流し、刺激前後の蛍光強度の変化を2次元的に観察した。その結果、刺激電極近傍の白質で、また皮質カラムに沿い灰白質深層で、さらに浅層にかけて水平方向に広がる蛍光強度の増大が見られた。電気刺激を加えない場合にはこのような変化が認められなかったので神経活動に依存したグルコース取り込みの増大を反映している可能性が示唆されたまた極低濃度(0.2μM)の2-NBDGを持続的に潅流しておき、GABA-A受容体阻害剤bicucullineを添加すると、局所的に蛍光強度の増大していく様子が計時的に観察された。今後は、組織中のどの細胞要素における変化を反映したものであるかを詳細に検討していく必要がある。一方、麻酔下にてラットのヒゲを機械刺激して皮質バレル野を興奮させ、2-NBDGの蓄積パターンをCCDカメラで2次元的に観察した。2-NBDGはあらかじめ静脈から投与し、一定時間後に再投与するとともに電気刺激を開始した。その結果、570nmの光に対する内因性光信号で評価した活性化部位に一致して2-NBDG取り込みの増大が認められた。今後は2-NBDGのin vivo実験を手法として確立する為に血液の漏出を肺ぐ手術法や、投与法の工夫などを積み重ねることが重要である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yamada, K.: "Protective role of ATP-sensitive potassium channels in hypoxia-induced generalize seizure"Science. 292・5521. 1543-1546 (2001)
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[Publications] Yamada, K.: "Metabolic control of the seizure gate : a role for neuronal K-ATP channels"Trends in Pharmacological Sciences. 22・12. 601-602 (2001)
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[Publications] Yamada, K.: "ATP-sensitive potassium channels in the brain : a sensor of hypoxic conditions"News in Physiological Sciences. 17. 127-130 (2002)
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[Publications] 山田勝也: "エネルギー欠乏時に脳を守るATP感受性カリウムチャネルの働き"メディカルテクノロジー. 30・2. 165-166 (2002)
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[Publications] 山田勝也: "単一膵島細胞におけるグルコース取り込みと細胞内カルシウムの観察 分子糖尿病学の進歩-基礎から臨床まで-2001 監修 矢崎義雄 渥美他編"金原出版. 187 (2001)