2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13710234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野崎 貴博 岡山大学, 文学部, 助手 (40284054)
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Keywords | 古墳時代 / 棺 / 石棺 / 木棺 / 土製の棺 |
Research Abstract |
古墳時代の研究において、埋葬施設の研究は主要な位置を占める研究領域である。それは埋葬施設が古墳において執り行われた儀礼行為を反映しているからであり、被葬者の社会的な位置や他地域との交流などの杜会関係を如実に示す資料だからである。しかし、これらの資料を有機的に関連付ける研究は進んでいない。今回の研究では、埋葬施設のうち、特に棺を取り上げている。これらの資料の有機的な関連づけ、体系化を行うことにより、棺に反映された古墳時代社会関係を復原しようと試みたものである。 今年度の研究の概要は次に示す通りである。 1.古墳時代前期・中期を中心に、各地の石棺・木棺・土製の棺の集成を行い、形態や製作技法等の諸要素のデータ化を行っている。また、棺だけでなく、その取り扱われ方を研究するため、出土状況のデータを集成している。その他、編年の指標とするため、共伴する副葬品や埴輪等についても集成した。 2.集成したデータのうち、良好な資料を実見した。その際、棺の製作技法等を詳細に観察し、実測図の作成、および写真撮影を行って資料化した。 3.集成した資料を素材、形態、製作技法から分類し、系列を明らかにしたうえで編年等の基礎作業を行っている。また、出土状況のデータの分析を進め、特に土製の棺の群構成については時期・地域によって差異があることを明らかにし得る見通しを得ることができている。
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