2001 Fiscal Year Annual Research Report
高次構造を有するフラボン系ポリフェノールの合成研究
Project/Area Number |
13740351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大森 建 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50282819)
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Keywords | フラボン / ポリフェタール / カテキン |
Research Abstract |
茶やワイン、果物等に多く含まれるカテキン類は、抗酸化作用、抗腫瘍作用、抗炎症作用、血圧上昇抑制作用等の興味深い生理活性を示すが、合成化学的に様々な置換様式を有する誘導体を得ることは必ずしも容易ではない。 本研究では、フラバン骨格の4位に様々な置換基を有するカテキン誘導体の合成を検討し、いくつかの興味深い知見を得た。すなわち、フラバン骨格の4位に脱離基としてアセトキシ基を導入したカテキン誘導体に対し、活性化剤としてBF_3・OEt_2を用い、塩化メチレン中、-78℃下において種々の求核剤(ベンゼンチオール、アジ化トリメチルシリル、ケテンシリルアセタール誘導体等)を作用させたところ、反応が円滑に進行し、対応する置換化合物が収率良く得られること見出した。なお、^1H NMRによる詳細な構造解析の結果、いずれの場合も生成物が立体選択的に得られたことが分った。 次に、天然に多数存在するカテキンを構成単位としたオリゴマーの選択的合成法の開発に取り組んだ。その結果、アセトキシ基、フェニルチオ基をそれぞれ有する二種のカテキン誘導体を予め混合し、これに活性化剤としてBF_3OEt_2、を作用させると前者が、またAgBF_4を作用させると後者が選択的に活性化され、他方との交差反応が速やかに進行することが分かった。そこで当知見を基に高次のオリゴマー合成を試みたところ、三および四量体の選択的合成にはじめて成功した。
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