2001 Fiscal Year Annual Research Report
分子吸着ナノ粒子の表面プラズモン共鳴を利用した光誘起電子移動
Project/Area Number |
13740391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
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Keywords | ナノ粒子 / 表面プラズモン / 電子移動反応 |
Research Abstract |
金属は可視波長領域に広い表面プラズモン共鳴帯を持つ。表面プラズモン共鳴による増感効果は、表面増感ラマン散乱(SERS)の他、SHGや蛍光、光学Kerr効果などにおいても見出されている。体積に対する表面積比の大きいナノ粒子では、これらの表面増感効果は更に増強されることが予想できる。そこで本研究は、表面増感効果をナノ粒子上での光誘起相互作用に拡張し、特に、ナノ粒子表面を触媒とする有機分子間の電子移動反応に応用することを目的としている。 本年度は、主として電解法と化学還元法によるナノ粒子の調製とキャラクタリゼーションを行った。特に粒子サイズの制御に重点を置き、サイズと表面プラズモン吸収スペクトルとの相関を明らかにした。また、本補助金で購入したイメージインテンシファイアを大学に現有のレーザー・分光光学系と組み合わせることにより、ナノ粒子上での電子移動を観測するためのマルチチャンネルナノ秒時間分解ポンプ-プローブ分光装置を構築し、予備的な測定を行った。 来年度は、この装置を用いてポンプ-プローブ測定を行い、銀ナノ粒子上に吸着させたルテニウム錯体と溶液中の電子受容体間の電子移動効率を観測し、表面増感効果を定量的に評価する計画である。
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