2001 Fiscal Year Annual Research Report
Cold Sprayと低温超音速ガスジェットを利用したワイヤアーク溶射の提案〜新しいエコ溶射法の基礎的検討と開発〜
Project/Area Number |
13750094
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
榊 和彦 信州大学, 工学部, 助教授 (10252066)
|
Keywords | コールドスプレー / 溶射技術 / 超音速ガスジェット / 銅皮膜 / 衝撃溶融 / 臨界速度 / ワイヤアーク溶射 / ラバルノズル |
Research Abstract |
Cold Spray(コールドスプレー)は,最新の溶射法の1種で,溶射材料の軟化温度または融点に比較して低温な(高々500℃程度)超音速ガスのノズル内流れの中にその材料粉末を投入し,加速させて高速度(500m/s以上)で基材に衝突(衝撃溶融に近い状態)させて皮膜を作製し,ロシアで発明され,米国,ドイツで研究・開発されはじめている技術で,21世紀の新しい表面改質技術として注目を集めている。 本研究は,(1)コールドスプレー技術のさらなる解明と確立,および(2)この技術を応用した新しい低温超音速ガスジェット利用ワイヤアーク溶射技術の確立など基礎的研究を目的とし,具体的には本年度は以下を行った. ・コールドスプレーの試作装置の改良 ・超音速ガスジェットを利用したワイヤアーク溶射装置の試作 ・皮膜特性に及ぼす溶射条件の影響の検討 得られた知見や業績などを以下に示す。 1.供給ガスの各部の温度とノズル入口部の圧力と温度を測定・集積し,試作装置の性能と安定性の確認が行えた.本装置は所定状態のガスを供給できるが,ガスの熱交換器の構造上,安定するのに時間がかかる。 2.供給するガスの圧力,温度が高くなるにつれて,銅皮膜の成膜量が増加した。また,皮膜は基材側がち密であるが,表面側は気孔が多い。 3.低温超音速ガスジェットを利用したワイヤアーク溶射装置の試作:コールドスプレーの作動ガス供給部からガスを供給され専用に設計した超音速溶射ガンをアーク溶射装置に増設して装置を試作し,基礎的な溶射条件の変化に対する皮膜特性の変化を明らかにできた。 4.本年度,学会発表(5件,うち国際溶射会議1件),専門誌への技術解説,ホームページ(http://mplab.shinshu-u.ac.jp/)などにより,国内の大学,企業などへのコールドスプレー技術を周知し,依頼講演2件,訪問企業10社(うち,共同研究1件)の実績を残すことができた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 榊 和彦: "技術解説:コールドスプレーテクノロジー"溶射技術. 21巻3号. 29-38 (2002)
-
[Publications] Kazuhiko Sakaki: "Effect of nozzle geometry on cold spray process"Proceedings of International Thermal Spray Conference 2002. 1. (2002)