2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
堀 純也 石川工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (80311017)
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Keywords | 繊維機械 / 自動化 / ハンドリング / 高弾性糸 / スパンデックス |
Research Abstract |
研究者らは,北陸地方で盛んなカバリング(Covering)と呼ばれる繊維加工工程に着目し,加工機に対して自動で材料糸の仕掛けや製品の回収などの作業を行う自動糸交換システムの開発を継続して行っている.今年度は,ハンドリングの対象となる極細高弾性糸"スパンデックス(Spandex)"の機械的性質の調査研究を行った.スパンデックスはポリウレタン製の糸で,一般的に600%の伸長率を持ち,直径が数十μmと細く,線密度も15den(9000mで15g)と小さい.まず,原糸メーカ数社から太さの異なるスパンデックスを取り寄せ,万能試験機(テンシロン)を用い引張試験を行った.その結果,200%程度のひずみまでならば,フィラメント自体の変形により張力とひずみがほぼ直線関係にあることがわかった.200%〜600%の範囲では曲線的に変化しており,マルチフィラメント糸の束構造そのものが変化していると思われる.同じ太さの糸でも銘柄により弾性率に若干の違いがみられた.次に,2組のローラの速度差によるスパンデックス延伸実験装置(ドラフト装置)を試作し,スパンデックスを走行させながら引張し,糸の投影直径を高速高精度寸法測定器により測定した.同時にデジタルマイクロスコープにより糸を観察したところ,糸の断面形状は著しく対称形とは異なるため,観察方向による測定値のばらつきが大かったが,総じてドラフト比が大きいほど糸の投影直径は小さくなった.また,ローラ近傍における投影直径が小さくなった.同時に張力の測定を行ったところ,ドラフト比が大きいほど張力が大きくなることと,ひずみ速度が小さいほど張力が大きくなることがわかった.これらのことから,スパンデックス糸端を把持して空間内をハンドリングする際に,糸端を動かす速度と移動量によって,糸端把持を行うフィンガ部分にかかる張力が変化することがわかった.今後,このデータを元に把持システムの設計を行う.
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