2001 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡放電プラズマによるダイオキシン分解プロセス解明のための基礎的研究
Project/Area Number |
13750236
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 孝紀 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (50235339)
|
Keywords | ダイオキシン / 放電分解 / 質量分析 / ベンゼン / 直流グロー放電 / 発光分光診断 / 非平衡放電プラズマ |
Research Abstract |
1.質量分析装置の取付けと動作確認 平行平板電極の真横の放電チェンバ側壁のフランジに、φ0.1mmのオリフィスを介して質量分析装置M-200QA(購入備品)とターボ分子ポンプを取付け、チェンバ内に窒素ガスをフローさせながら、差動排気系と M-200QAの動作確認および測定可能なガス圧力範囲の調査を行った。その結果、放電チェンバ内のガス圧が100mTorr以下で質量分析が可能であることがわかった。 2.イオン化電圧測定 放電チェンバに窒素およびベンゼンを数10mTorr程度フローさせた状態で、質量分析装置のイオン化電圧を5〜70Vの範囲で変化させ、イオン電流の変化を測定した。その結果、窒素では16V付近、ベンゼンでは 10.5V付近からイオン電流が急激に立ち上がることがわかった。窒素の場合、この電圧値はこれまで報告されているイオン化電圧の閾値とほぼ一致した。このことから、ベンゼンのイオン化の閾値は10.5eV付近に存在すると予想される。 3.ベンゼン分解時の質量分析・発光分光分析同時測定 窒素ガスにベンゼンを10%混合し、全ガス圧を100mTorrとしてフローさせた状態で平行平板電極間にグロー放電を発生させ、質量分析および発光分光分析測定を行った。その結果、グロー放電の発生によってベンゼンの質量スペクトルが減少し、質量数2,26,27のスペクトルの増加が見られた。放電電流を増加させると、ベンゼンの質量スペクトルが減少し、質量数2,26,27のスペクトルが増加した。また、質量数26のスペクトルを除き、質量スペクトルの減少や増加は、放電電流値にほぼ比例することがわかった。 発光分光分析では、窒素の強い発光に混じって、H_α(656.28nm)とCN(737.27,918.95nm)の発光スペクトルが観測された。したがって、質量数2および26の分子は、それぞれH_2およびCNであることがわかった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 林 押忍, 澤田武志, 佐藤孝紀, 伊藤秀範, 田頭博昭, 下妻光夫: "低気圧直流グロー放電によるベンゼンの分解(2)"第37回応用物理学会北海道支部,第7回レーザー学会東北・北海道支部合同学術講演会 講演予稿集. 26 (2002)
-
[Publications] 澤田武志, 林 押忍, 佐藤孝紀, 伊藤秀範, 田頭博昭, 下妻光夫: "弱電離気体プラズマの解析(XLVIII)直流グロー放電を用いたベンゼンの分解-発光分光・質量分析診断-"平成14年電気学会全国大会講演論文集. 1(発表予定). (2002)