2002 Fiscal Year Annual Research Report
再構成型デバイスと信号処理向けプロセッサによるリコンフィギャブルシステムの開発
Project/Area Number |
13750311
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 康一郎 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 助手 (40253570)
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Keywords | リコンフィギャブルシステム / FPGA / DSP / PCIカード / JPEGエンコーダ / システムレベル設計言語 / ブロックベース設計 / ハードウェアソフトウェアトレードオフ |
Research Abstract |
本研究では,代表的な再構成型デバイスであるFPGAと,信号処理向けプロセッサであり,8命令並列実行が可能であるDSPを用いたシステムを構築し,高柔軟性を有すシステムに関する研究を実施した.FPGAはメモリ技術を応用により内部構造を変更できるため,対象アプリケーション向け非冗長回路を常にその内部に実現でき,アプリケーションの並列性をハードウェアレベルの並列処理を可能とする.一方,DSPは信号処理アプリケーションで重要となる積和演算において高い処理性能を示す. 本研究を要点の一つに各デバイスの特性把握がある.そこで,それらのデバイス群を実装したハードウェアプラットフォームとして,FPGA, DSP,および大規模メモリモジュールを実装したPCIカードであるRYUOHの開発した. 各デバイスの基本性能を評価するために,RYUOHの各々のデバイスに対して,JPEGエンコーダを実装した.JPEGエンコーダの処理は,色空間変換,離散コサイン変換,量子化,およびハフマン符号化の4つに大別でき,それらはそれぞれ特性が異なる.このうち,処理時間に大きな差の生じた処理は,符号化であった.FPGAにおける符号化の処理時間は,4倍の動作クロックを用いたDSPと比べ,約1/15であった.この原因は,符号化は多くのビットシフト操作であった.ビットソフト操作は,FPGAでは多くのマルチプレクサで最適回路を実現できるが,DSPでは多くの分岐命令を要するため,命令レベルの並列度が低下する. また,上記の研究実施において,それらの開発環境に関する問題点が生じた.そこで,デバイス(システム)アーキテクチャの研究を行うと共に,システムレベル設計言語環境やブロックベース設計環境を利用した開発環境に関する研究にも着手し,それらに対する問題点や改善方法の提案を行った.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Koichiro Tanaka: "The Development and Evaluation of SHOKE2000 : The PCI-Based FPGA Card"Systems and Computers in Japan. 33・9. 50-57 (2002)
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[Publications] Koichiro Tanaka: "Design and Implementation of FPGA/DSP Based PCI Card"15th International Conference on Systems Engineering. 19-24 (2002)
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[Publications] 田中 康一郎: "FPGA/DSP搭載システムを用いたハードウェア・ソフトウェア設計教育"情報処理学会DAシンポジウム2002. 187-192 (2002)
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[Publications] 林 悠平: "FPGA/DSPによる協調処理環境の構築"信学技報VLD2002-59. 19-24 (2002)
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[Publications] 橋本 耕太郎: "HW/SW協調動作に対するブロックダイアグラム環境利用に関する一評価"情報科学技術フォーラム. 195-196 (2002)
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[Publications] 櫻木 誠: "ブロックベースシステム開発環境による固定小数点DSP設計に関する一考察"電気関係学会九州支部大会. 595 (2002)
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[Publications] 今泉 雄一朗: "SpecCにおける記述方法と実行時間の関係に対する一調査"電気関係学会九州支部大会. 597 (2002)