2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750324
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
羽渕 裕真 茨城大学, 総合情報処理センター, 助教授 (90241744)
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Keywords | CSK / M進通信方式 / 無線パケットs通信 / ALOHA方式 / マルチパスフェージング / アドホックネットワーク / スペクトル拡散 / 自動再送要求 |
Research Abstract |
本研究は、通信と同時に測距を可能し、白色ガウス雑音下での誤り率特性及び情報伝送速度を改善できる"コードシフトキーイング(CSK)を用いる車々間通信方式"に着目する。本研究の目的は、CSKを用いる車々間通信方式において、データ伝送誤りによって生じる再送要求パケットの増大と再送要求信号の検出ミスによる輻輳の影響及び消失したパケットの補間方法について検討し、その結果からITS特有の自律分散型のネットワークプロトコルについて検討するものである。本研究は、「基本性能検討段階」と「ITS適用検討段階」の2段階で構成されている。本年度は「基本性能検討段階」であり、(1)スループット性能、(2)遅延性能、(3)フェージング環境下での性能、(4)性能向上法について検討を行った。その結果、以下のことが明らかになった。 ・ 再送要求信号の検出ミスの影響を理論解析により明らかにした。スループット性能は10%程度低下することが分かった。また、再送回数は約4倍になり、遅延性能も大きく劣化することが明らかになった。 ・ 周波数選択性フェージングの影響を理論解析により明らかにした。特に、フェージング対策として、レイク受信方式を用いた場合、スループット性能及び遅延性能の劣化度は大きいが、直接拡散方式を用いたシステムよりも良好な性能となることが明らかになった。 ・ チャネルロードセンシングプロトコル(CLSP)の効果を明らかにした。CSK方式を用いたシステムはオファードロードが高くなるに伴い、性能が急激に劣化することが分かった。多元接続ユーザ数を制限するCLSPは効果が高く、最大スループット性能を約1.5倍以上向上できることが明らかになった。 今後の課題として、ロスパケットの補間法(再送要求法)の検討、車々間通信環境における最適なネットワークプロトコルの検討などがあげられる。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] (Tsuyoshi Arai), Hiromasa Habuchi: "The Delay Property of the M-ary/SSMA ALOHA Systems with the Traffic Control Protocol"International Conference on Information Communications and Signal Processing,ICICS'01. CD-ROM. (2001)
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[Publications] (Nobuyoshi Komuro), Hiromasa Habuchi: "Theoretical Analysis of the Unslotted SS-CSC/CDMA ALOHA System"International Conference on Information Communications and Signal Processing,ICICS'01. CD-ROM. (2001)
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[Publications] (荒井剛), 羽渕裕真: "フィードバックチャネルに誤りが存在するM-ary/SSMA ALOHA systemに関する検討"第24回情報理論とその応用シンポジウム. VOL.II. 607-610 (2001)
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[Publications] (小野文枝), 羽渕裕真: "M系列を用いた変形PSM方式の一検討"電子情報通信学会技術研究報告. SST2001. 37-42 (2001)
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[Publications] (深澤司), 羽渕裕真, 宮嶋照行: "コヒーレントMFSK/FHMAのためのシングルユーザ適応受信"電子情報通信学会技術研究報告. SST2001-60(3月18日発表予定). (2002)
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[Publications] (深澤司), 羽渕裕真, 宮嶋照行: "コヒーレントFSK/FHMAのためのシングルユーザ適応受信に関する一検討"2002年電子情報通信学会総合大会講演論文集. A-5-5(3月30日発表予定). (2002)
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[Publications] (荒井剛), 羽渕裕真: "CLSPを用いたM-ary/SSMA ALOHA方式におけるフィードバック信号誤りの影響について"2002年電子情報通信学会総合大会講演論文集. A-5-11(3月30日発表予定). (2002)
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[Publications] (高野哲成), 羽渕裕真: "拡散符号予約型DS Slotted ALOHA方式に関する検討"2002年電子情報通信学会総合大会講演論文集. A-5-12(3月30日発表予定). (2002)
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[Publications] (遠藤和博), 羽渕裕真: "無線アドホックネットワークにおけるモバイルノードの自律的なデータ補間についての一考察"2002年電子情報通信学会総合大会講演論文集. B-7-9(3月27日発表予定). (2002)