2001 Fiscal Year Annual Research Report
不飽和下層土中の熱・水分環境変化が土壌微生物活性に及ぼす影響
Project/Area Number |
13750499
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
高野 保英 近畿大学, 理工学部, 助手 (80330231)
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Keywords | 土壌微生物 / 屋上緑化 / 不飽和土壌 |
Research Abstract |
土壌圏・地下水圏は自然環境における窒素・炭素・酸素などの物質大規模循環の要になっており,その分解・生成に微生物は大きな役割を果たす.また,汚染土壌・地下水の浄化にも,微生物の物質分解機能の利用が図られている.しかしながら微生物数やその活性は土壌構成成分,間隙構造,土壌空気成分,有機物量,温度,水分量などにより異なることから,土壌・地下水中における物質循環の定量的な評価のためには環境条件と微生物の生態との関係を把握する必要がある. そこで本研究では物質分解機能を有する微生物の培養を試み,種々の土壌あるいは環境条件下における微生物の活性と分解機能の関係を,室内実験により調べることを目的とする. 本年度においては研究代表者が所属する屋上緑化土壌を対象とし,不飽和土壌の温度および水分量の変化に伴うバイオマスの変化特性を調べるための予備的な試験として,以下の実験を行った. (1)屋上緑化区域の土壌を採取した後,カラムに詰め,温度および湿度を一定に保つた恒温恒湿器内に設置する. (2)一定期間放置後,土壌バイオマスを測定する. 結果として,培養・測定技術の不備により,環境条件の違いによる土壌バイオマス量の違いを確認するに至らなかった.次年度以降,引き続き同様の試験を行い,緑化土壌における熱・水分環境条件と土壌バイオマスの関係を調べる予定である. さらに,研究代表者の講演発表と乾燥地における土壌微生物利用に関する最新の情報・知見を得ることを目的として,クウェートで開かれた「International Conference on Water Resources Management m Arid Regions」に出席した.
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