2002 Fiscal Year Annual Research Report
知的基盤社会の構築に向けたまちづくり情報基盤システムの開発
Project/Area Number |
13750584
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有馬 隆文 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (00232067)
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Keywords | 住民参加 / まちづくり / WebGIS / インターネット / 知的基盤社会 |
Research Abstract |
平成14年度では、平成13年度に開発した意見収集システムに改良を施し、市民を対象としてシステムの活用実験をおこない、その有効性と課題について検討した。また、得られた意見をもとにして福岡市の天神・箱崎地区の地区カルテを作成した。具体的には以下のとおりである。 1.まちづくり意見収集システムの改良 昨年度の試作システムの問題点を洗い出し、システムに改善を加えた。主な改善点は、「操作手順の簡略化」「背景地図のカラー化」「地図のスクロール」「意見者の属性入力の追加」である。 2.一般市民を対象としたシステムの活用実験 福岡市の協力を得てシステムの活用実験をおこなった。結果として、平成13年9月から平成14年10月までに9431件のアクセスがあり、248件の意見を得ることができた。この数値は従来の広報誌や資料配布による意見回収率よりも高く、本システムは意見収集の新しいチャンネルの1つとして期待できるといえる。収集された意見をみると、交通、景観、住環境に対する意見が多く、福祉・教育、防災では少なかった。すなわち本システムは空間的現象に関する意見収集に有効であると言える。意見者の属性は、20代から40代の男性が多く、これまで就業・就学によって住民参加の機会が少ない層の意見を収集することができた。利用者へのアンケート結果では、「時間にとらわれずに意見が自由に書き込めること」、「ネットを通じて意見を共有できること」に高い評価を得られた。しかし、一方では「意見に対する行政からの回答がないこと」が不満として挙げられた。 3.天神・箱崎地区の地区カルテ 得られた意見をもとに地区カルテを作成した。天神の意見項目をみると、渋滞・駐車車両の問題、駐輪場の設置要望、危険な交差点の指摘がなされた。 4.まとめ システムに対する評価は高く、一定の成果を得た。しかし、その一方でシステムの管理法や行政からの回答などといった運営に関わる課題が指摘された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山下秋朝: "知的基盤杜会の構築に向けたまちづくり情報基盤システムの開発(その1)-WebGISを用いたまちづくり支援システムの開発-"日本建築学会 第24回情報・システム・利用・技術シンポジウム論文集. 第24号. 55-60 (2001)
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[Publications] 森永武男: "WebGISを用いたまちづくり情報基盤システムの開発"日本建築学会大会学術講演梗概集F分冊. F-1. 747-748 (2001)
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[Publications] 大浦匡博: "WWWを利用したマルチメディア型まちづくり支援システムの開発 -ワークショップ手法を応用したまちづくり支援システムの開発-"日本建築学会大会学術講演梗概集F分冊. F-1. 199-200 (2001)
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[Publications] 有馬隆文: "まちづくりを支援するマルチメディア型インターネットシステムの開発と応用"電気通信普及財団研究調査報告書. No.16. 178-185 (2001)
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[Publications] 有馬隆文: "WebGISによるまちづくり情報収集システムの開発と応用"九州大学大学院人間環境学研究院 都市・建築学研究. 第2号. 143-150 (2002)
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[Publications] 武藤徹矢: "WebGISを用いたまちづくり情報基盤システムの開発(その2)"日本建築学会大会学術講演梗概集F分冊. F-1. 587-588 (2002)