2001 Fiscal Year Annual Research Report
抗原特異的B細胞のクローン増大調節の分子メカニズムの解析
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13770162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
梃原 一彦 熊本大学, 医学部, 助手 (10263469)
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Keywords | 胚中心 / DNAプライマーゼ / CD40 / 免疫応答 / 遺伝子欠損マウス / MCM3 |
Research Abstract |
本年度はganpコンディショナルノックアウトマウスの作製を行った。すでに得られていた複数のES細胞の相同艦換え体を用いてキメラマウスを樹立し、germlihe transmissionを確認した。その後CD19プロモーター制御下にCreを発現するトランスジェニックマウスとの掛け合わせを行って、B細胞特異的ganp欠損マウスを得ることができた。このマウスでは、成熟B細胞への分化が障害されており、胚中心形成にも障害が見られた(未発表)。免疫応答などの詳細な解析は引き続き平成14年度に行う。さらにGANPにはDNAプライマーゼp49と相同性を持つ領域、(138から565アミンノ酸)が存在し、実際この領域はDNAプライマーゼ活性を有していた(Kuwahara et a1.,2001)。この活性は502番目のセリン残基(^<502>Ser)のリン酸化によって制御されており、リン酸化^<502>Ser特異的モノクローナル抗体を作製し、in situでの発現を調べたところ、胚中心で^<502>Serのリン酸化は上昇していた。またin situでこのリン酸化の上昇にはCD40からのシグナルが重要であることも明らかにした。従って、抗原特異的B細胞クローンが胚中心で活発な細胞分裂をくり返す際に、GANPはp49と共に働くことが予想される。また、GANPとMCM3の関係を明らかにする目的で、両者の種々の欠失変異体や点突然変異を作製し、両者の結合領域、細胞内局在、細胞周期における役割を遺伝子導入によって解析した。その結果、GANPがMCM3の局在を核から細胞質へ変えること、GANPとGANPのC末端側だけを持つMap80は細胞周期に関して異なる機能を有している可能性が考えられた(投稿準備中)。この解析も平成14年度に引き続き行う。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mohamed A.EL-Gazzar et al.: "Pu.1 is involved in the regulation of B lineage-associated and developmental stage-dependent expression of the germinal center-associated DNA-primase GANP"J. Biol. Chem.. 276. 48000-48008 (2001)
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[Publications] Kazuhiko Kuwahara et al.: "Germinal center-associated nuclear protein (GANP) has a phosphorylation-dependent DNA-primase activity that is up-regulated in germinal center regions"Proc.Nati. Acad.Sd. U.S.A.. 98. 10279-10283 (2001)