2001 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチにおける新規自己抗原:RBP1類似蛋白質の機能解析
Project/Area Number |
13770234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 真生 京都大学, 医学研究科, 助手 (10332719)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 自己抗原 / RB / RBP1 / クローニング |
Research Abstract |
慢性関節リウマチ(RA)患者滑膜細胞由来cDNA発現ライブラリーよりRA患者関節滑液由来抗体を用いその抗原抗体反応により単離されたRBP1類似蛋白質(Rbik)cDNAは,3'側のコード領域を欠失していた.完全長のcDNAを得るため3'RACE法を行った結果,poly A付加シグナルを含む3'欠失断片のクローニングに成功した.poly A付加シグナルは'AATAAA'でなく'GATAAA'のバリアントタイプであった.この3'cDNA断片はPCR産物であり塩基配列のミスインコーポレーションがありうるため,さらに独立した5つのクローン全ての塩基配列を解読し確認した.再構築したRbik cDNAの全長は4405bpで91kDa(803aa)の新規蛋白をコードしていた(DDBJ/EMBL/GenbankにAB030181として登録済).その蛋白はRB蛋白と結合し機能を修飾すると考えられているRB結合蛋白質1(RBP1)とアミノ酸配列において36.5%のホモロジーを有していた.ノーザンブロット法による遺伝子発現解析ではRbik遺伝子は滑膜のみならず各種臓器で発現していた.N末端にFLAGエピトープを付加したRbik蛋白のcDNAを真核細胞発現ベクターに組み込み,滑膜細胞株SF-1に移入し3つの形質転換株を得た.この3つのRbik cDNA導入株全てが野生株および3つのmockコントロール株と異なり,培養生育中接触抑制下で核酸合成の低下を認めなかった.尚形態の変化は認めなかった.現在接触抑制の詳細,細胞周期の変化等を観察している.またRbik蛋白精製を目的にGST融合Rbik蛋白cDNAを大腸菌発現ベクターに組み込み,リコンビナントRbik蛋白発現系を組みたてた.リコンビナント蛋白を用いたイムノブロットにより,24%(7/29)のRA患者でその血清中に抗Rbik抗体が検出された.現在RAにおける抗Rbik抗体の検出と病態との関連を検討している.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 田中 真生, 尾崎 承一: "可溶型gp130と慢性関節リウマチ:Soluble gp130 and rheumatoid arthritis"免疫 Immunology Frontier. 11・2. 46-52 (2001)
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[Publications] 田中 真生, 三森 経世: "慢性関節リウマチ/診断・治療のup to date:難治性病態と治療"Mebio. 18・12. 97-101 (2001)
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[Publications] 三森 経世, 田中 真生: "慢性関節リウマチの新しい自己抗体"炎症と免疫. 10・1. 78-83 (2002)