2001 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞の長期培養系の確立:特にレチノイン酸・ステロイドホルモン代謝の役割について
Project/Area Number |
13770272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
冨田 謙吾 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50317129)
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Keywords | 肝細胞 / 肝再生 / CRAD2 / レチノイン酸 |
Research Abstract |
我々は、マウスCRAD2(cis-retinol/androgen dehydrogenase type 2)蛋白質に特異的な部位のオリゴペプタイドを合成し、ウサギに免疫することにより、マウスCRAD2のポリクローナル抗体を作成した。現在作成された抗体を用い、ウエタンブロット法及び免疫沈降法により、CRAD2蛋白質の発現量の変化を検討中である。材料としては、発生過程の経時的なマウス肝臓組織及び、マウス肝臓の部分切除後の経時的な再生肝組織を用いている。また、同組織に関して、同抗体を用いた免疫組織染色を行い、CRAD2の局在および、その変化についても検討中である。具体的には、発生段階および、再生期の肝臓のCRAD2の発現を他の肝細胞特異的蛋白質(アルブミン、AFPなど)の発現の推移と比較する。次にHGFなどの肝細胞の増殖因子・分化因子の投与によりCRAD2の発現の変化がみられるか否かを検討する。再生期の肝臓・発生段階の肝臓の各ステージからそれぞれ核抽出物を精製し、DnaseI foortprinting assayを施行し比較検討をおこなうことにより、肝細胞分化に関わる転写因子の同定をも試みている。また、この時点でCRAD2の発現が肝障害の発生あるいは抑制に関わるか否かで、新たな肝障害治療への応用の可能性も検討できるものと考えている。また、我々は、コラーゲンゲルサンドイッチ法を用い、マウス初代培養肝細胞の分化・脱分化の調節に成功した。分化のマーカーとしてはアルブミンの発現、チトクロムP450の活性、アンモニア代謝能を用いた。この系を用い、CRAD2の発現が肝細胞の分化・脱分化の過程でどのように変化するか現在検討を加えている。
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