2001 Fiscal Year Annual Research Report
虚血再灌流障害に対するカルディオトロフィン1のアポトーシス抑制と心保護作用
Project/Area Number |
13770368
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 康之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80277053)
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Keywords | cardiotrophin-1 / アポトーシス / JAK-STAT / gp130受容体 / 心筋梗塞 / Akt / シグナル伝達系 |
Research Abstract |
【目的】Cardiotrophin-1(CT-1)はgp130受容体と結合し、JAK-STAT系を活性化させ心肥大を惹起することが知られている。また、gp130受容体の活性化により抗Apoptosis作用を持つAktが増加することも培養心筋細胞系で認められている。そこで、虚血再灌流モデルを作製し、Aktの変化について観察を行う。また、CT-1投与におけるApoptosisの変化や心機能に及ぼす影響について検討を行う。 【方法】10-14週令のC57BL/6マウスを用いて心筋梗塞モデルを作成した。生食投与群とCT-1静脈内投与に分け、術後4週間で血行動態をモニタリングし、実験に供した。心臓超音波検査にて心機能の評価を行う。心臓を取り出し、ホルマリン固定・パラフィン包埋を行い、薄切切片を作製。マッソン染色およびSirius Red染色を行い、心筋線維化の評価を行う。さらにInsituにてDNAの断片化を評価する。また、Aktの蛋白発現量をWestern blot法にて観察するとともに活性化されたAktすなわち、リン酸化Aktを同様にWestern blot法にて観察する。 【結果】C57BL/6マウスにおいて、コントロール群では心筋梗塞後の心機能が著明に低下したのに対し、CT-1投与群では、心機能の改善効果を認めた。さらに、TUNNEL法・DNA ladderにおいてアポトーシスは、CT-1投与群で著明に低下を認めた。コントロール群において減少を認めたAkt及びリン酸化AktはCT-1投与群では減少を認めなかった。 【考察】心筋梗塞後は、抗アポトーシス作用を有するAktの減少に伴い、アポトーシスが増加することにより、心機能が低下すると考えられ、CT-1投与によりAktの減少が抑制され、アポトーシスが減少し、心筋梗塞後の心機能の低下を抑制することができることが示唆された。
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