2001 Fiscal Year Annual Research Report
カルバマゼピンの経胎盤及び経母乳投与における胎児、児の肝薬物代謝酵素に対する影響
Project/Area Number |
13770413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
村上 浩史 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (60308517)
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Keywords | カルバマゼピン / 肝薬物代謝酵素 / チトクロームP450 / 妊娠 / 授乳 |
Research Abstract |
カルバマゼピン(以下CBZ)は抗てんかん薬として臨床上広く用いられる薬剤であり肝薬物代謝酵素であるcytochrome P450(P450)、特にラットにおいてはP450の分子種CYP2Bの誘導を最も強く引き起こすことが広く知られている。本研究で母ラットにCBZを投与し、それが経胎盤、経母乳的に児に移行したときの胎児、児の総P450量、CYP28に対する作用について検討した。さらに胎児期から授乳中にわたりCBZの曝露をうけて成長したラットにCBZを再投与した時の総P450量、CYP2Bに対する作用についても同様に検討した。 その結果、CBZの経胎盤投与ではCYP2Bの誘導は胎児期に認められたが、生後5日でその影響は消失していた。CBZの経母乳投与においても、離乳前の雄ラットに酵素誘導を認めたが、離乳後5日でその影響は消失していた。また胎児期から授乳中にわたりCBZの曝露をうけて成長したラットにCBZを再び投与しても総P450量の誘導に変化はなかった。 以上より、CBZを妊娠、授乳中に母体に投与し続けても児の肝薬物代謝酵素に対する影響は短く、我々の実験では5日でその影響は消失し、成長してから再びCBZを投与しても酵素誘導に違いを生じる事はなかった。
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