2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復能欠損メラノサイトを用いた再構築皮膚での紫外線によるメラノーマ形成誘導
Project/Area Number |
13770446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大橋 明子 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10324914)
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Keywords | メラノサイト / 色素性乾皮症 / メラノーマ / 紫外線発癌 |
Research Abstract |
材料と.方法:1.色素性乾皮症A群(XPA)患者皮膚および健常人皮膚より培養メラノサイトを樹立し、UVBを0,5,10,20,30,50mJ/cm2,UVAを0,10,20,30J/cm2照射し、24、48時間後にapoptosisの形成率をCell Death Detection ELISA kitを用いて定量測定した。2.フェオメラニン含有マウス(yellow/C57BL6)を、C57blackのXPAノックアウトマウスとバッククロスにより作製した。結果:1。24時間後、48時間後にCell Death Detection ELISA kitを用いて定量測定をおこなったが、24時間後では両者に差は認めず、48時間後において健常人メラノサイトでは、ほとんどapoptosisを誘導し得なかったが、XPAのメラノサイトではUVB5mJ/cm2照射にてapoptosisが確認された。一方、UVA照射では、両メラノサイトにおいて細胞増殖、細胞死共に明らかな差異は認められなかった。考察:ヒトメラノサイトは、bcl2を高発現しているため、UVBにてapoptosisをきたしにくい。しかし、ヒトXPAメラノサイトでは、比較的低量のUVBにてapoptosisが誘導されることが判明した。一方、培養細胞の増殖、細胞死に対しては、UVA照射は健常メラノサイトとの比較にてXPAにおける明らかな差異は認められなかった。フェオメラニンがUVA照射により活性酸素種を産生し、DNA損傷を導く可能性が考えられていることより、フェオメラニンを多く含有するXPAメラノサイトによる実験が不可欠である。ヒトでは、このメラノサイトを得ることが困難であるため、遺伝背景の明確なマウスを用いることにより、異なるメラニン種を含有するXPAメラノサイトの培養系を確立した。
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