2001 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治癒と肥満細胞:ヒトキマーゼの血管内皮細胞や線維芽細胞に及ぼす影響
Project/Area Number |
13770453
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
森上 徹也 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (40304597)
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Keywords | キマーゼ / 血管新生 / 創傷治癒 / 血管内皮細胞 / 肥満細胞 |
Research Abstract |
インフォームドコンセントを得て採取したヒト臍帯からヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)をコラゲナーゼ還流法により単離し継代培養した。96穴プレートに2000〜3000個のHUVECを播種し、5%FBS添加CSC Complete mediumを加えインキュベーター中で一晩静置、プレート底面に接着させ、翌朝に培地を吸引除去し、PBSで1回洗浄後、FBS無添加で他の成長因子などを含まないCBC mediumに置き換え、各種濃度のキマーゼを添加した。添加24時間後の生細胞数をDOJINDO Cell Counting Kitにより評価した。なおヒトキマーゼは大阪医大高井先生より供与されたリコンビナントのものを使った。 In Vitroでの血管新生測定は、ヒト血管内皮細胞とヒト線維芽細胞とを混合培養し、形成されるHUVECによる網状の管腔構造をCD31染色で視覚化し、MIHImageでスコアリングした。共培養系はクラボウ社より購入し、11日培養後の管腔形成を全管腔総面積として定量化した。VEGFとSuraminnをそれぞれ陽性ならびに陰性コントロールとした。 結果、Chymaseは濃度依存的にHUVECの増殖を阻害した。ED50は50〜100ng/mLと見られる。しかし細胞増殖抑制効果のない[Chymase]=1ng/mLの濃度で11日間培養した後の管腔形成量はコントロールに比して上昇し、10ng/mLまで濃度依存性を示した。しかもこの効果は、代表的な血管新生の促進因子であるVEGFの作用の約1.4倍程度であった。
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