2001 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法を用いた内リンパ嚢におけるイオンチャンネルの同定
Project/Area Number |
13770964
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
後藤 理恵子 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (20304602)
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Keywords | Na-H exchanger / subtype / rat / PCR / In situ hybridization |
Research Abstract |
内リンパ嚢内リンパは蝸牛、前庭・半規管の内リンパとは異なり、ナトリウム濃度がカリウム濃度より高いため、内リンパ嚢内リンパの恒常性維持にナトリウム輸送が重要であると考えられている。Na-H exchanger (NHE)は細胞内pHの調節の他にナトリウム輸送に関与していることが知られている。NHEには4つのsubtypeがあり、subtypeによりその作用が異なる。NHE1は細胞内pHと細胞体積の調節、NHE2,NHE3,NHE4は上皮細胞におけるナトリウム輸送に関与している。 内リンパ嚢におけるNHEのsubtypeを分子生物学的手法を用いて同定した。成熟ラット(Wister strain, female)を使用した。PCR法、In situ hybridizationを用いて内リンパ嚢におけるNHEのsubtypeの発現とその局在を調べた。 内リンパ嚢ではPCR法にてNHE1,NHE2,NHE3の発現が認められた。In situ hybridizationでは内リンパ嚢上皮細胞にNHE2のみ発現が認められた。 NHE2は腎臓、胃、腸にて上皮細胞におけるナトリウム輸送に関与していることが知られている。内リンパ嚢上皮細胞におけるNHE2の存在はNHEが内リンパ嚢におけるナトリウム輸送に重要な役割を演じていることを示唆しているものと考えられる。今後、内リンパ嚢においてナトリウム輸送に関与しているイオンチャンネルやイオントランスポーターなどの発現の有無を分子生物学的手法を用いて調べていく予定である。
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