Research Abstract |
人為的に産卵させたアフリカツメガエル(Xenopus laevis)に対して、内分泌撹乱物質とされる17βエストラジオール、1,2,3,4,-TCDD、2,3,7,8,-TCDD、ビスフェノールAを10^<-5>Mから10^<-12>Mの濃度で作用させ、その効果を見た。 受精直後の卵に17βエストラジオール処理を行った場合、10^<-5>MにおいてSt.33から頭幅、眼福の減少、尾部のゆがみ等が顕著に見られ、St.46までにすべての胚は死亡した。ビスフェノールA、1,2,3,4,-TCDD、2,3,7,8,-TCDD、はそれぞれ単体での処理では10^<-3>Mまでの濃度ではコントロール胚との差がみられず外見にも異常は確認されなかった。しかし、10^<-5>Mの17βエストラジオール処理を行う際に、同時に10^<-7>Mの1,2,3,4,-TCDDを処理した実験群では、17βエストラジオールでの外形の変化がみられず、また、胚の生存率もコントロールと同等にまで回復した。現在、単体毒性としてもっとも強力とされる2,3,7,8,-TCDDの17βエストラジオール処理への効果、および濃度を検討中であるほか、17βエストラジオール処理による影響を光学・電子顕微鏡により解析中である。さらに、外見からは影響の判別できないビスフェノールA、1,2,3,4,-TCDD、2,3,7,8,-TCDDの単独処理胚についても、組織細胞化学的見地から解析している。
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