2001 Fiscal Year Annual Research Report
NK細胞におけるCD2分子を介したシグナル伝達機構の解析(新たな歯周病治療方法開発のための基礎的検討)
Project/Area Number |
13771121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
井上 博 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (10330143)
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Keywords | CD2 / raft / NK細胞 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
NK細胞の標的細胞殺傷機構におけるCD2分子を介した細胞の活性化と細胞表面上におけるCD2分子の局在について検討をおこなった.1)CD2分子架橋刺激による細胞内顆粒放出能の検討:NK様細胞株(NK3.3)をプレート固相化抗(Control,CD2,LEA-1,CD28,FcγRなど)により4時間架橋刺激を加えた.その後,上清中に放出される細胞内顆粒のBLTE esterase活性(BLT+DNTBにより発色)をマイクロプレートリーダーにより測定した.その結果CD2架橋刺激にて,細胞内顆粒放出の著明な増加が認められた.NK細胞の標的細胞殺傷機構においてCD2分子による活性化が確認された.2)CD2架橋刺激によるCD2分子とraftの細胞膜上における局在の検討:NK3.3細胞をpolystylene beadsに固相化したCD2抗体により架橋刺激を加え,FITC標識コレラトキシンとPE標識CD2抗体にて二重染色しraftとCD2の局在を観察した.その結果,CD2架橋刺激により,raftと,CD2は共に細胞膜上のビーズとの接着部分に凝集した.また,この2つの凝集部位を重ね合わせるとraftとCD2の凝集部位が一致することを確認した.Raftは,細胞膜上の脂質二重層において脂質組成が他の領域と異なる特殊なコンパートメントである.このraftがシグナル伝達などの細胞の多様な機能に関与していると報告されている.今回の結果は,raft上にあるCD2レセプターがraftの凝集を介してNK細胞活性化シグナルを伝達するという仮説を裏付けるデータである.
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[Publications] INOUE H. et al.: "Chemokine effects on cell adhesion PHA-activated T cells"Dentistry in Japan. 37. 117-120 (2001)
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[Publications] UMEHARA H. et al.: "Role for adapter proteins in costimulatory signal of CD2 and IL-2 on NK cell activation"Moleculer Immunology. 8. 587-596 (2001)