2001 Fiscal Year Annual Research Report
鎮咳作用機序におけるATP感受性ポタシウムチャネルの関与
Project/Area Number |
13771444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
森田 佳代 星薬科大学, 薬学部, 助手 (00318619)
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Keywords | 鎮咳薬 / ポタシウムチャネル |
Research Abstract |
非麻薬性末梢性鎮咳薬であるmoguisteineおよびATP感受性K^+チャネル開口薬の吸入による鎮咳作用について検討した。ATP感受性K^+チャネル開口薬であるpinacidil、minoxidil sulfateおよび末梢性鎮咳薬であるmoguisteineを吸入させることにより、用量依存的な鎮咳効果が発現した。これらの鎮咳効果は、ATP感受性K^+チャネル拮抗薬であるglibenclamideの前処置により、有意に抑制されたが、末梢性オピオイド受容体拮抗薬であるnaloxone methiodideの前処置では有意な影響は認められなかった。一方、麻薬性中枢性鎮咳薬であるdihydrocodeineにおいても、吸入によって用量依存的な鎮咳効果が認められた。また、この鎮咳効果は、glibenclamideの前処置により有意な影響は認められなかったが、naloxone methiodideの前処置により、有意に抑制された。これらの結果より、pinacidil、minoxidil sulfateおよびmoguisteineの鎮咳効果は末梢のオピオイド受容体は関与しないものの、ATP感受性K^+チャネルを介して発現することが明らかとなった。また、dihydrocodeineの吸入による鎮咳作用発現にはATP感受性K^+チャネルは関与せず、末梢のオピオイド受容体が関与している可能性が示唆された。以上のことから、moguisteineの吸入による鎮咳効果に、ATP感受性K^+チャネルが関与していることが明らかとなった。また、ATP感受性K^+チャネル開口薬が吸入で鎮咳効果を発現したことから、末梢性鎮咳薬として有用である可能性が示唆された。
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