2001 Fiscal Year Annual Research Report
動的指標追従によるヒトの筋力発揮調整能に関する研究
Project/Area Number |
13780048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
長澤 吉則 秋田県立大学, 総合科学教育研究センター, 講師 (40299780)
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Keywords | 握力 / 調整能 / パソコン / 左右差 / 要求値 / 上肢神経機能 |
Research Abstract |
パソコン画面の要求値に筋力発揮値を合わせる形式の測定装置を用いて、1.異なる動的指標(発揮要求値)が筋力発揮調整能に及ぼす影響(いかなる強度の発揮要求値を用いれば安定した測定値が得られるか)、2.筋力発揮調整能測定値の左右上肢間の差異および関係(右利きの対象者)、3.筋力発揮調整能測定法と既存の上肢機能評価法との関連(併存妥当性)を検討した。以上の検討から新たに以下のような知見が得られた。 1.(1)規則的移動指標を応用し、発揮要求値の強度を変化させるソフトを開発した(握力最大値の25,30,40,50%を上限とする幅20%の要求値)。(2)信頼性は25%要求値では高く、発揮力量が高くなるにつれて低下する。筋力発揮調整能測定値は発揮力量の相違に影響を受け、特に要求値が50%程度になると筋力発揮調整能測定値の変動は大きくなる。(3)信頼性係数と平均値の差を検討した結果、25%要求値を用いる場合、筋力発揮調整能測定値は安定し、40%程度の要求値まではほぼ同程度の変動を示すと推測された。2.(1)筋力発揮調整能測定値は棒グラフおよび波形の両表示法とも利き手の方が優れる。(2)筋力発揮調整能測定値の左右相互間の関係を検討した結果、棒グラフおよび波形の両表示法ともに中程度の有意な相関係数が認められた(棒グラフ:r=.50,波形:r=.61)。よって、いずれの表示法とも利き手と非利き手の関係はそれ程高くはなく、利き手と非利き手では各々独自の筋力発揮調整能が測定される可能性がある。3.(1)波形および棒グラフによるいずれの筋力発揮調整能テストとも、追従動作およびペグボードの各テストと関係が認められず、追従動作とペグボードの各テスト間の関係も低かった。よって、各テスト間の関係は低く、それぞれに応じた能力を測定しうると推測された。
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