2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
薩本 弥生 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (10247108)
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Keywords | ふいご作用 / 着衣の放熱性能 / 換気 / 着衣の構成要因 / 衣服下間隙 / 開口部開口条件 / 換気効率 / 温熱的快適性 |
Research Abstract |
快適で健康的な被服を追求することは被服設計に不可欠な被服研究の目的の1つである。被服の快適性は心理的、生理的、物理的あるいは社会的な多くの要因に影響される。本研究では快適性の中で温熱的な要因が支配的になる状態を想定して検討を行う。着衣時の温熱的快適性を検討するに当たって環境条件、着衣の素材、構成要因を規定したモデル実験は着衣の熱移動特性を明らかにするために有効な実験手法である。 本研究では当初は環境条件として有風の環境での着衣の熱移動について明らかにすることを目的としたが、その前段階として本年度は無風環境で人体が動くことによる換気の効果、これをふいご作用(bellows action)というが、その着衣の放熱性能への寄与について検討した。ふいご作用による換気効果に関しては定性的にはその効果について周知であるが、その定量的な効果に関して検討している論文は余り見られない。そこで、ふいご作用を模擬する着衣の揺動装置を試作し、着衣の放熱性に影響する要因として、衣服下間隙の寸法や開口部開口条件などの着衣の構成要因を取り上げその効果について検討を行った。また、着衣内の熱移動モデルを定性的な数値モデル化し実験と理論面から着衣を通しての放熱性能へのふいご作用の現象の把握を試みた。(実験)実験は皮膚を模擬する発熱平板の上で、着衣のふいご作用を模擬する往復移動装置を上下させる。移動装置の往復の振幅(W)は20mmで、移動速度は、1秒に1往復(平均40mm/s)発熱平板と着衣素材との衣服下間隙(s)は2mm〜30mmの5種類とした。開口部開口条件は、開口部無、開口部1(小)、開口部1(大)、開口部2の4種類である。(結果と考察)間隙寸法の効果:どのモデルにおいても間隙s=05mmの時に換気効率の値は最大になった。相対的に少ない容量を強制的に換気する狭い間隙の方が大きくなった。 開口部開口条件の影響:開口部が大きいか2つあるほうが放熱しやすいと思われがちだが、開口部1つで小さく奥行きが長い場合が開口部付近で、放熱しやすいことが期待できることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 薩本弥生, 竹内正顯: "寝具の快適性"訪問看護と介護. 6巻・11号. 928-933 (2001)
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[Publications] 牛腸ヒロミ, 酒井豊子編著(3, 4, 5章を薩本弥生分担執筆): "衣生活の科学"放送大学教育振興会. (2002)