2001 Fiscal Year Annual Research Report
外国語の発音におけるタイミング制御と作動(短期)記憶との関係についての研究
Project/Area Number |
13780159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
長井 克己 津山工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (20332059)
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Keywords | 発音練習 / 発話タイミング / リズム再生 |
Research Abstract |
本年度は実験を開始するにあたり,文献調査・予備実験・3つの実験を日本と英国で行った. 1.文献調査 本研究は外国語の発音練習の改善を最終目標としている.まず現在日本国内で使用されている英語教科書・教材等を調査し,発音指導法を分類整理した.ヒトのタイミング制御及びその測定法に関しても調査を行った. 2.予備実験 教材の提示タイミングに関する実験に先立ち,一般的な発音練習では学習者は何秒後に教師の後をつけて発音をし始めるのか.また,教師のモデル発音のピッチやタイミングの変動をまねる場合はどの程度正確にリピートできるのであろうか.これらを調べる予備実験を,日本人英語学習者を被験者として行った. 3.実験 予備実験の結果をデザイン上の参考にして以下の実験を行った. (1)日本語を母語とする22名の日本人大学生に英文を"repeat after the teacher"/"repeat with the teacher"の両条件で発音してもらい,コンピュータで編集した上で英語母語話者6名に提示し7段階で採点を依頼した. (2)上記実験で用いた文の音圧曲線を作成し,その上昇開始点からピークまでの時間軸上の中点を測定した.その位置に100Hz/10msの正弦波を配したリズムパタンを作り,単音節taで"repeat after the model"/"repeat with the model"を依頼した. (3)日本語のカナから混同の生じやずい語(bathe/bays等)を日本語を母語とする13名の大学生に両条件で発音してもらい,それをマルチトラック録音して編集した後,英語話者6名に提示し7段階で採点を依頼した. 4.まとめと次年度の課題 実験データは現在も整理中であるが,一部を近畿音声言語研究会(2001年9月・聖和大学)と,ことばの科学研究会(2001年10月・神戸市外大)で発表した. 次年度は短期(作動)記憶と発話タイミングに関して考察を進め,さらに実験を行いたい.
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