2001 Fiscal Year Annual Research Report
分散環境を用いた柔軟なデータベースシステム開発環境の研究開発
Project/Area Number |
13780195
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
有次 正義 群馬大学, 工学部, 助教授 (40282412)
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Keywords | 分散データベース処理 / 分散オブジェクト / 分散メソッド / メソッドマイグレーション / データマイグレーション / オブジェクトデータベース / アイドル計算機 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究を行った. ●分散環境におけるオブジェクトデータベース処理として,主にデータマイグレーションとメソッドマイグレーションの二つの手法が考えられる.われわれは,マルチサーバ・マルチクライアントの環境で,各サーバとの処理をどちらで処理すれば効率化が図れるかについて考察した.具体的には,処理を解析し,サーバ上で競合するコストをM/M/1を使って表現したコストモデルを構築して,どちらで処理すればよいかを明確にした.更にこのコストモデルの妥当性を,実際の実験により検証した.3台のサーバを使った実験では,95.2%の場合において誤差率0.03でもっとも効率のよい処理を求めることができた.これは,実用上十分使用可能な結果であると考えている. ●LANの環境では,多数の比較的性能のよい計算機がネットワークにつながれていることが多いが,それら計算機は常にビジー状態ではなく,むしろアイドルである時間のほうが長いことがある.我々は従来,分散環境ではデータマイグレーションとメソッドマイグレーションの二つの組合せしか考えなかったが,これらアイドル計算機をうまく使うことによって,更なる処理の効率化が図られないかということについて検討した.我々が行った予備的実験で,場合によってはアイドル計算機を使ったほうが効率化を図ることが可能であることが明らかになった.これは例えば,サーバのロードが高く,メソッドマイグレーションよりもデータマイグレーションを多用するような場合などに,アイドル計算機を用いる効果が大きい.これに関する考察を更に進めることも重要な課題であると思われる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Yoshida, et al.: "Performance Evaluation of Combining Data Migration and Method Migration in Object Database Environments"Australian Computer Science Communications. 24,2. 207-214 (2002)
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[Publications] 吉田 他: "アイドル計算機を用いた分散ODB処理の効率化の一検討"第13回データ工学ワークショップ(DEWS2002). (2002)