2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川上 浩司 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (90214600)
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Keywords | プログラム理解支援 / 知識ベース推論 / 説明に基づく学習 / 知識ベース精錬 |
Research Abstract |
本研究は、計算機プログラムのソースコード理解を支援するために、ソースコードにコメントをつける手法の構築と実装を目的としている。 計算機システム管理の現場では、既存システムの保守のために過去のプログラムの更新が行われているが、プログラムの多くが構造化手法確立以前に作成され、更には機械的に異言語間コンバートされたものもある。また、更新後の動作保証が最優先されるため、抜本的な修正は避けられ、その結果、幾多の部分的修正が重ねられたものとなる。これがプログラム理解・修正の負担を増加させ、今ではシステム開発経費の8割を越えると言われる。 これに対して、プログラム構文解析手法を用いた自動構造化が有効であるように思えるが、実情は、実働システムのプログラムを人間の手を介さずに抜本的に変更することは、万が一にも不具合が生じることが許されない現場では受け入れられない。一方、本研究ではプログラムそのものを変更することなく、プログラムモジュールの意味をコメント文として生成して提示するというアプローチに特色がある。 本年度は、プログラムソースの解析機構ならびにユーザからの修正要求に駆動される学習機構を構築するための予備的検証と部分的実装を行なった。すなわち、入力部(yacc/lexによるプログラムソースの構文解析・HTGに基づいたモジュール分解・解析結果を記号処理可能な表現形式へ変換)の実装、初期知識ベースの作成(機能仕様書とコメントのついたサンプルプログラムの入手と解析を含む)、データ駆動型説明器と説明構造の一般化による学習器のprologによる実装である。ただし、予定していた「ユーザの返答をトリガーとした知識ベース精錬機構」の構築には至っていない。また、今年度に開始した研究であるため、まだ雑誌論文としてまとめるに至っていない。
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