2002 Fiscal Year Annual Research Report
早期被害推定と実被害情報の逐次処理に基づく地震時意思決定支援システムの開発
Project/Area Number |
13780376
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20222200)
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Keywords | リアルタイム地震防災 / 即時被害推定 / 意思決定支援システム / 被害発生率 / ベイズ確率の方法 / 逐次更新アルゴリズム / 人工衛星画像 / 空撮映像 |
Research Abstract |
本研究の目的は「リアルタイム地震防災システム」によって得られる地震直後の早期被害推定を,時々刻々入手される実被害情報に基づいて逐次更新するための基礎理論を構築し,実務面での利用を視野に入れた意思決定支援システムを開発することである.第二年度(最終年度)の本年度においては,実被害情報を被害推定にフィードバックする構造を持つ災害情報の逐次処理アルゴリズム(第一年度に開発済み)に基づいて,以下に示す機能を備えた「災害情報の逐次処理と意思決定の数理モデル」の構築を行うとともに,実用システムの開発に向けてのプロトタイプ作成の作業を進めた. 1.地震直後に得られる地震動強度情報とフラジリティー関数を組み合わせ,初期被害推定を被害発生率の確率分布の形で算出する. 2.時間とともに蓄積される実被害情報を逐次的に組み込んで,ベイズ推定法により被害発生率の事後分布を更新するとともに,未調査部分の被害推定にフィードバックして「被害数」の予測分布を算出する. 3.人工衛星リモートセンシング画像(SAR強度画像)を用いて地震直後の初期被害推定を更新し,より詳細な被害推定結果を提示する. 4.逐次確率比検定(SPRT)の手法を用いて緊急対応の意思決定基準を数理的に定式化し,被害推定・被害情報・対応行動の三者を関連付けた意思決定の代替案を提示する. 以上のプロトタイプを用いて,兵庫県南部地震における被災地域などを対象としたケーススタディーを実施し,本格的に運用可能なシステム構築に向けて基礎的検討を行った.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 能島暢呂, 杉戸真太, 金澤伸治: "地震動情報と実被害情報の統合処理による緊急対応支援の数理モデル"土木学会論文集. NO.724/I-62. 225-238 (2003)
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[Publications] 能島暢呂, 杉戸真太, 鈴木康夫, 石川裕, 奥村俊彦: "震度情報に基づく供給系ライフラインの地震時機能リスクの二段階評価モデル"土木学会論文集. NO.724/I-62. 187-200 (2003)
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[Publications] 能島暢呂: "被害情報の統合による早期被害把握の数理モデル"オペレーションズ・リサーチ. Vo.47, NO.7. 432-440 (2002)
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[Publications] 能島暢呂, 松岡昌志, 杉戸真太, 立石陽輝, 金澤伸治: "建物被災地域の早期把握のための震度分布と人工衛星SAR強度画像の統合処理手法"地域安全学会論文集. No.4. 143-150 (2002)
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[Publications] 能島暢呂, 杉戸真太, 金澤伸治: "被害情報の逐次処理による地震時緊急対応の意思決定支援モデル"土木学会論文集. No.682/I-56. 129-142 (2001)
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[Publications] Nojima, N., Sugito, M.: "Sequential Estimation of Seismic Damage for Rapid Decision Making in Post-earthquake Emergency"Proc. of the 8th International Conference on Structural Safety and Reliability. (on CD-ROM). (2001)