2001 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子から迫るフラボノイド合成系シトクロムP450反応の解析とその応用
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13780474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
明石 智義 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (80328707)
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Keywords | シトクロムP450 / フラボノイド / ホモロジーモデリング / 2-hydroxyisoflavanone synthase / マメ科植物 / アヤメ科植物 / ファイトアレキシン |
Research Abstract |
フラボノイド生合成系のシトクロムP450(P450)の酵素反応の理解と応用を目的として,以下の解析を行った. 1.IFS反応の機構の解析と新規触媒機能を持つP450の創製:主にマメ科植物に存在するイソフラボンの骨格はaryl基転位を伴う水酸化反応を触媒するP450,2-hydroxyisoflavanone synthase(IFS,CYP93C)により形成される.CYP93 family間の相同性の比較と,ホモロジーモデリングによるIFSタンパク質の推定3次元構造をもとに,基質と相互作用するアミノ酸残基を推定した.それらを他のアミノ酸と置き換えた変異タンパク質を作成し,酵母で発現させ,触媒機能を調べた.その結果Ser310はaryl基転位を促進すること,Lys375はaryl基転位反応に必須であることがわかった.またLys375変異タンパク質はこれまでoxoglutarate依存性のdioxygenaseにのみ見いだされていたflavanone 3-hydroxylase活性を示し,新触媒機能をもつP450を創製することができた. 2.アヤメ科植物のイソフラボノイド生合成:イソフラボノイドの蓄積はアヤメ科植物でも報告されている.イソフラボノイド系酵素遺伝子の分子進化を検討するため,非マメ科植物からP450遺伝子の検索を試みた.キショウブのゲノムDNAを鋳型として,共通配列を用いたPCRを行い,複数のP450断片を得た.現状ではこれらがイソフラボノイド生合成に関与しているのかは不明である.今後,全長cDNAのクローニングと真核細胞発現系を用いた機能解析を行う予定である. 3.非マメ科でのイソフラボン生産:代謝工学による植物機能の向上をめざし,本来含有しない非マメ科植物でイソフラボノイドの生産を試みた.植物高発現プロモーターの下流にIFS cDNAを組み込んだバイナリーベクターを用い,アグロバクテリウムを介してナス科ペチュニアを形質転換した.現在選択培地で培養している.
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Research Products
(1 results)