2001 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドモデルを用いた構成的アプローチによるコラーゲンの3本らせん形成過程の解明
Project/Area Number |
13780484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小出 隆規 徳島大学, 工学部, 講師 (70322253)
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Keywords | ペプチド / コラーゲン / ビピリジン / 分子シャペロン / フォールディング |
Research Abstract |
1.分光学的手法による2,2'-bipyridine含有コラーゲンモデルの物性とフォールディングに関する検討および3本らせんフォールディング過程解析法の開発 アミノ末端に鉄-ビピリジン錯体を有するコラーゲンモデルペプチドを合成し、円二色性スペクトルを用いてペプチド部分の立体構造と錯体部分のキラリティーとの関連を調べた。その結果、錯体のキラリティーはペプチド部分の3本らせん構造依存的にΔ-異性体に片寄ることが明らかになった。このdiastereoselectiveな錯体形成はペプチド末端アミノ酸を堅いProから柔軟なGly残基に変換することで現弱することも解った。 また、鉄-ビピリジン錯体の形成によりペプチドの3本らせん構造の熱安定性を向上させることにも成功した。更に、錯体形成によってコラーゲン3本らせん形成が促進されることが明らかになった。 2.コラーゲン特異的分子シャペロン(HSP47およびプロリン4-水酸化酵素)のシャペロン機能の解明 多数の合成コラーゲンモデルペプチドをもちいてHSP47およびプロリン4-水酸化酵素の基質結合を解析した。その結果、HSP47が3本らせんを形成したX-Arg-Gly配列を特異的に認識することによりプロコラーゲンに結合することが明らかになった。この結果は、HSP47がプロコラーゲンフォールディング中間体の3本らせん構造を安定化する機能を有することを示唆するものである。また、プロリン4-水酸化酵素は1本鎖のコラーゲン様配列に広いスペクトルをもって結合することが明らかになった。このことから、本酵素は修飾酵素としての機能以外に、プロコラーゲンのフォールディングにも関わる分子シャペロンであることが推定された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takaki Koide: "Xaa-Arg-Gly triplets in the collagen triple-helix are dominant binding sites for the molecular chaperone HSP47"Journal of Biological Chemistry. (印刷中). (2002)
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[Publications] Takaki Koide: "Peptide-binding profile of procollagen prolyl 4-hydroxylase"Peptide Science 2001. (印刷中). (2002)