2001 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母におけるテロメア機能維持の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
13780551
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加納 純子 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (10323809)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / テロメア / 染色体 |
Research Abstract |
真核生物の染色体の末端にはテロメアという構造体が存在しており、ゲノムの安定性において重要な機能を果たしている。テロメアDNAには様々なタンパク質が結合し、テロメア機能維持に関与している。最近、出芽酵母およびヒトにおいてRap1タンパク質が同定されたが、作用機構において相違点が数多く見られることが明らかとなった。そこで、進化上ヒトと出芽酵母と等距離にあると考えられている分裂酵母においてRap1を同定し、その機能について解析した。さらに、出芽酵母においてscRap1に結合してテロメアDNA長の調節をしているscRif1の分裂酵母における相同遺伝子rif1についても解析した。それらの遺伝子の破壊株を作製し、その表現型を観察した。rap1破壊株において、テロメアDNAの著しい伸長、減数分裂期におけるテロメアクラスタリングの異常、テロメアサイレンシングの異常が観察された。rif1破壊株においても、テロメアDNAの伸長が見られた。さらに、細胞内においてRap1およびRif1タンパク質はテロメアDNAに直接結合すると考えられているTaz1タンパク質と結合し、Taz1を介してテロメアに局在することがわかった。これらのことから、Taz1はテロメア機能維持に関与するタンパク質群をテロメア領域に局在させる役割を果たしていることが示唆された。さらに、ヒトRap1がテロメアDNA結合タンパク質TRF2を介してテロメアに局在することから、分裂酵母がヒトのテロメア研究のよいモデル系となると考えられ、今後の研究が期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kanoh, J.: "spRap1 and spRif1, recruited to telomeres by Taz1, are essential fir telomere function in fission yeast"Current Biology. 11. 1624-1630 (2001)
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[Publications] 加納純子: "ATMのチェックポイントとテロメア維持における役割"蛋白質核酸酵素. 46. 1194-1200 (2001)